「ストーリー・セラー」有川浩 新潮社
先月末以来、大事にしまっていた新刊です。 コンディション悪いときに読むのが、もったいなかったのでした。 このところ読書の勘が戻ってきたようなので、思い切って。
以前、アンソロジーの文庫が出たときに書店で立ち読んだ。さらっと。 それでもけっこう、涙腺にきてしまい、困った記憶がある。 著者・有川浩を髣髴とさせる女性作家……ストーリー・セラーの物語だ。 発表されていたのは2本立ての最初の1本。2本目は、カップリングのための書き下ろし。 彼女の書いた物語が彼女とその伴侶を結びつけるあたりは、得意のラブコメ路線。 安心して世界にどっぷり浸かって楽しむ。 後半、二人のどちらかが病に冒され、死別して結婚生活が終わる。 彼女が死ぬAサイド、旦那が死ぬBサイド。 どっちにしても泣き泣きに泣かされてしまった。 淡々と読んでいたのに、必ず来るポイントで、ぐぐっとこみ上げてきてしまう。
ホント、「どこまで本当ですか?」な1冊だ。
☆☆☆☆(星よっつ)
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