「龍の館の秘密」谷原秋桜子 創元推理文庫前作(天使が開けた密室)で人物設定などが頭に入っていたためか、読み出しはスムーズ。主人公・美波と、隣人・藤代修矢との関係は、ちょっと微妙?亡くなった修矢の祖父・水島老人が修矢に話していた美波像に、ちょっとグッとくる。本当は心の真っ白な優しい美波が、自分には意地っ張りな面ばかり見せるのが、修矢は本当は面白くないんじゃないかな…と思ってみたり。それが「特別」ってことなんだと、まだわからないのかな。☆☆☆☆(星よっつ)