日々是迷々之記
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今日からは一人で仕事をする。前任者が15日までの勤務だったので辞めてしまったのだ。引継がたった3日というのは初めての経験なので少し不安である。
かくしてその不安は的中した。この3日間は流れをつかむのが精一杯で細かいところを注視していなかった。前任者の彼女が、イレギュラーな事項のない書類作成だけを回してくれていたようだ。例えば、会社ごとの資料を見て書類を作成するのだが、その資料というのが曲者なのだ。
エクセルで作成し、印刷して綴じてあるのだが、変更があったときなどはエンピツでごしゃごしゃと消して殴り書きしてあったり、最後のページにぴろんと一枚紙を貼り付けたりしてあり、一覧性に欠ける。しかも、会社の「暗黙の了解」となっている項目(客先の電話番号が変わったが、みんな知っているので特に記載していないとか)の連発で、そんな書類を見ながら文書を作成しても意味がない。午前中に作った書類は多かれ少なかれ全てチェックが入っていた。
午後からはその修正。資料が合っているかどうかいちいち聞かなくてはならない。聞く相手は直属の課長さん(女性)なのだが、忙しくしょっちゅう電話がかかってくる。話の途中で電話が入ると、中断し、電話が終わると「何を話してたんだっけ?」という調子だ。この間にも新規で作成するべき書類が机に山積みだ。
結局定時を過ぎ、営業さんが全て帰ってしまって、所長とその課長、私と経理の女性だけになった。私はひたすら書類を訂正、プリントアウト。私の作った書類を所長がチェックしてサインをして終わりなので書類が出来ないと所長は帰れないのだ。手持ちぶさたのようでコートを着て、マフラーをして椅子をギコギコ言わせて課長と雑談をしている。課長もパソコンを終了させているし。なんかめちゃくちゃプレッシャーを感じてしまう。
そんな中、あっと驚く事実が判明した。文書作成のひな形が間違っていたのだ。同じ書類でも客先によって微妙に記載事項が違うので、何通りかひな形があるのだ。しかし、引継で、前任者の子が、同じ会社の書類は前に作ったものの数字だけ変えて別名で保存したらいいと説明してくれたのでそうしていたのだ。しかし、課長さんが言うには、いちいち新規フォームから全部打ち込んで作るべきだと言われた。そうしないと、電話番号が変わっていたりするのに古い番号の資料をひっぱってきて間違えたりするからするからするからだそうな。
「そんなんデータベースで処理すれば会社名から自動で引っ張ってこれるのに。」心の中でそう思った。でも、時間がないから明日、課長さんが全部修正することになって、今日の仕事が終わった。
今まで情報をデータベースで管理してない会社は初めてなので勝手がよくわからない、がどのようにしてアナログな仕事の知識を得たらいいのかは不明だ。きょうび、白い紙に印刷したものをコピー機で会社の指定の用紙にコピーし直すって意味があるんだろうか?どうして直にプリントアウトしないかと聞いてみたら、プリンタにトレイが一個しかないので白い紙しか入れられないからだそうな。(^_^;)
まるで昭和40年代のような超アナログなこの会社、本当にやっていけるのか不安である。
とりあえずの試用期間が一ヶ月だから来月の今頃はプータローに逆戻りかもしれない。が、起こってもいないことを心配しても意味がないので、今日は今日、明日は明日と思い、仕事をこなすことにしよう。
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