阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツキノウアシタ

2008年10月22日(水) ワンピを読んだのさ。

ルフィと結婚したい…


というわけで、ちんさんへ。



--------


「眠れないんですか?」
「ん?」
バルコニーに出て夜風を感じていたら、ビビが声をかけてきた。
「静かだなーと思って」
あんな喧騒が信じられない。喧騒、なんて言葉じゃ片付けられないな。国が哭く
瞬間を見た。国が血を流す瞬間を見た。国が『生まれる』瞬間を見た。
「みんな……今日は安心して眠っているんじゃないかな」
そう言うと、ビビは嬉しそうに目を細める。



たいせつなものを守る。



眼下に広がる街、遠くにある村――太陽と砂漠のこの国のすべてを、ビビはこの
細い肩で担おうとした。ただひたすらに『守りたい』という強い気持ちだけで。
それは、私にちょっと似ていた。ちょっと、じゃないか。すごく似ていた。
守りたいものがある、それはどんな絶望の淵にあっても、立ち上がる力をくれる、
ただひとつの光。
どんな闇の中でも、きっと見つけ出せる、光。
「あんたは、この国の、光なんだろうね」
「え……」
「みんな、あんたを信じてた。あんたが誰よりこの国を思うことを知っているから。
あんたが国を守りたいと強く思っていたから、今、この国はこうして眠っていられる」
砂漠の砂がさらと波打つ音が聞こえるんじゃないかというほどの静寂。
ビビは優しく吹いてくる風にその髪をなびかせながら、口の端を上げた。
「光は、一度、消えたんですよ」
とても静かな声でビビは言う。
「私、諦めてしまった。もう、終わりだと思ってしまった」
だけど、と強く音を響かせて。
「私がまた光になれたのは、みんなのおかげです」
途端、柔らかい空気が、ふわりと私を包んだ。
「私にはわからないけど」
ぎゅうと空気が私を抱き締める。
「ナミさんも、守りたいものがあるから、守り続けるものがあるから、きっと強い」




だから、私は闇の中から戻れたの。光に再びなれたの――。




バカ言わないで、あんたはずっと光だったわよと腕を振りほどこうとしたけど、
肩ごしでビビが鼻をすするから、私はビビという空気に包まれたままでいた。
うん、そうね。
私もどうすることもできなくて、立ち竦んだときがあった。闇に包まれ、これが
絶望というものかと全身で感じたときが。
けれど、そこから立ち上がれたのは自分ひとりではなかったから。
再びたいせつなものを守りたい、守るのだという力を得られたのは、『仲間』が
いたから。
だからね、ビビ。
私は、重なるビビの腕にそっと掌を置いた。
掌の下には、仲間のしるし。
ずっと、私たちをつなぐもの。




「ビビ、私たちは『ここ』に、ずっといる。あんたがいつまでも、この国の光で
あるために」





-------


アラバスタ編を読み終えて、こんなことを思ったりー。
あれ、すんげぇナミビビな。驚いた。あんなにビビちゃんとナミさんが絡んで
いたとはね…!!!


お粗末でした!


き あ ぬ