阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツキノウアシタ

2005年03月13日(日) 今日は何してたかってーと。

横浜へ行きました。
楽しかった。
行く前あったかかったから、ものすごい薄着で行けば
横浜着いたら雪ぱらつくじゃんよ!
まだ身体冷えてる……お風呂入ったっていうのに。
赤レンガ前の駐車場に車とめたら、横浜防災基地があって
一人興奮。きゃーきゃートッキューがトッキューが、
っていうか嶋本が!(違)と大騒ぎ。
携帯に写真収めねばとパチリと撮って、残念なことに
隣接してる資料館を覗くことはできなかったんだけど
いつか行きたい。ていうか行く。
停泊してた船も写真撮ってきた……
羽田基地ツアーよか横浜防災基地ツアーの方が観光も
できてよいかもよ(笑)中華街近いし。
お嫁様の合格祝いも兼ねて、かの日嶋本と星野が行った
店にでも行きますかー?
ってワタシに暇がねぇじゃんよ。


★一言メールお返事。
>思文さん
(ネタバレ含むお返事なので伏せます)
お言葉ありがとうございます。
ワタシも『斬られた』だけと信じたい。生きていると
思いたい。でも、ホント衝撃強くて、そうすることしか
思えなかったんですよ。どうにか、どうにか、最悪の
結果だけは迎えないように信じたいです。
パソも買わないとなーですね。
ご心配おかけし、申し訳ないです。



では昨日の90000打御礼SSの続きをば。
最初から載せておきますよ。
気になるとこで終わらせててゴメンね、Mさん。
おお振りは準太さんと榛名。そして和さんであります。




くだらぬこと。




すげぇよな。
誰もが彼を見に来ていた。誰もが彼が投げる、ほんの一球
を待っていた。
それが見たくて、ずっと待っていた。
すげぇ。
見た瞬間の身震い、けれど同時に湧き起こるささくれより
ずっと性質の悪いシコリ。
嫌になる。
その一球を見て、俺たちは席を立った。それだけを見るため
にここに来て、それだけを見て帰る。そんだけの価値がある
投手なんだとしても、そうわかっていても、やっぱり正直な
ことを思えば、俺だって投手なわけで、素直にそれを受け
止めたくねぇなというか。


翌日。


二年エースと言われるようになった。
それ相応の実力はあるつもりだし、それなりの努力もして
きたし、しているし、そうでなきゃ桐青のエースになんか
なれねぇよ。
「はー、だりぃ」
たった一球投げただけの、あいつの姿が脳裏にちらついて
俺は落ち着かなかった。
敵わないと思い知らされることがあれば、それは絶対的な
実力の差のせい。
認めたくもない。
認めたら、その時点で負けだ。
けれど、心ン中にあるシコリは多分、そういうののせいだ。
純粋にすげぇとだけ思えない。
それは俺が、ヤツと同じ投手だから。
「何をそんな難しい顔してるんだ?」
「あー」
「なーんも気にするこたぁないんだぞ」
和さんがボールをこねくり回している俺に声をかける。
悔しいが、俺が何を考えているのか和さんにはお見通し
らしい。
「してねっすよ」
「ならいいけどな」
はははと笑って、ほら肩ならすぞと俺から離れていく。
そして振り返って手にしたミットを振った。
わかってんだ。
俺もわかってる。
和さんが言うことと俺が感じてることは表裏一体。どう
しても同時に存在してしまうもの。
気にすることではなくても、気にしてしまうこと。
俺が投手である限り。
アイツが投手である限り。
野球を、やっている、限り。


翌々日。


「誰、あんた?」
電車の中、偶然榛名に遭遇してしまった。
「あー悪ぃ、何でもねぇ」
靴下のストックがなくなったので、電車を乗り継いで
でかいスポーツ用品店に行く途中、よりによって榛名を
見かけてしまい―――名を呼んでしまったのだ。
眉間に皺を寄せ、俺を軽く睨む榛名に俺は背を向け、吊り
皮を掴む。
「人の名前勝手に呼んどいて何でもねぇじゃねーだろーよ」
新手のナンパじゃあるまいしよーと言いながら、俺の隣の
吊り革を榛名は掴んだ。ガタンガタンと揺れる電車、物凄く
居心地が悪い。
「誰よ、あんた」
「……桐青の、」
「トーセイ?」
「高瀬」
「タカセ?」
横目で見なくとも榛名が知らねぇなという顔をしているの
が伝わってくる。とりあえず学校の名前も俺の名前もまず
漢字では受け止めてないだろう。
「トーセイ……トーセイ……って、あぁ!」
思い出したかのように、
「あれだよな、トーセイってえーと」
あまり思い出してない榛名に俺は一応の情報を与えれば、
「あぁ!何、お前そこの野球部か何かなワケ?」
ぐいっと俺の顔を覗き込んできた。
「あぁ」
思わず名を呼んでしまったことを後悔しながら、俺は榛名
の顔も見ずに頷いた。
「へぇ。どこ?」
「……」
言いたくない。
「ポジションどこよ?」
同じ学年、同じポジション、同じ県内。
「どこって聞いてんだろ」
同じ野球をし、同じ白球を投げ―――違う実力。
「なぁ」
「別にどこでもいいだろ」
「はぁ!?」
俺の返答に榛名は顔を思いっきりしかめた。口元が見事に
ゆがんで、眉間にはくっきりと深い皺。
見なくてもひしひしと感じるその表情のおかげで、榛名の
機嫌が(最初からいいのか悪いのかもわからないが)急に
悪化したのがわかった。
「お前、どこでもいいなんて本気で言ってんのかよ」
「別に」
「てめぇのポジション言えねぇなんて、そのポジションに
まるで拘りがねぇみてー」
「ンなこと」
「あるね。リトルじゃあるまいし、てめぇのポジションは
てめぇで掴んだモンじゃねーの?」
「お前、ムカつく奴だな」
榛名の言い様に俺は素直に感想を述べていた。
「初対面の俺に随分と失礼なクチきくな、お前」
「お互い様じゃないの」
言いたくないものは言いたくない。
それが自分のシコリのせいだとわかっている。
同じポジションだから、同じ投手だから、そして俺はお前
の実力を知っているから。
「あーはいはい、じゃあ別にどーだっていいですよーだ」
榛名は俺の横顔を一睨みすると、俺から視線を離した。
二人を映す電車の厚いガラス。榛名はガラスの向こうを
見ているようだった。前に通ったときは工事中だった建物
が今はすっかりマンションになっている。
「ピッチャーか」
「は?」
「お前、ピッチャーだな」
「何で」
ガラスに映る榛名と目が合う。
「手のマメの感じ」
「あ」
俺は吊り革から手を離した。
「やっぱな」
ニヤリと榛名は笑う。
自分の動作が墓穴を掘ったことに気付き、俺は目をそらした。
ガタンガタンと揺れる電車はますます居心地が悪くなる。
電車の速度が落ちる。もうすぐ駅だ。
榛名はどこまで乗って行くんだろう。俺はあと――二駅。
「トーセイのタカセ」
車内に駅に到着するアナウンスが流れる。
「よし、覚えた覚えた」
足元のでかいバッグを榛名は手にとった。揺れていた電車が
止まる。乗客が集まりだした扉が開く。
「お前、ポジションちゃんと拘ってんだろ?」
またニヤリと榛名は笑って開いた扉に向かって歩く。
「野球ってよーは拘りだよな」
手のマメとかはその証ーと冗談を言うように軽い口調で榛名
は言って電車から降りた。
残された俺は。
あと一駅がとても長く感じ、とても短く感じ。
それは野球を始めてからの日々の積み重ねと同じもののよう
に感じていた。
長く、そして短く。
榛名の言葉に深い意味はないだろう。アイツは思ったことを
思っていることを多分そのまま口にしただけだ。
俺が今、アイツのあの一球を見たことで心にシコリがある
なんてこと、当然知る由もない。
けど、そのシコリが何かくだらねぇもんのように思えてきた。
同じ野球。
同じポジション。
違う実力。
野球が好きだ。投手というポジションは俺が自分の力で
掴んだものだ。拘りなんか、あるに決まってる。
負けたくない。認めたくない。
けど、認めることで、俺がまた一つ『投手』に拘ることが
できんじゃねぇのかな。
同じ投手?
上等じゃねーか。
違う実力?
俺なりにお前に勝つ力を持てばいいじゃねーか。
「はは」
駅に着いたとき、俺は何か可笑しくて、一人だっていうのに
小さく笑ってしまった。
たった二日、けれど二日。
俺を困らせていたシコリは、シコリを作った本人の手で治さ
れた。
――くだらねぇことで悩むなって、俺も。
でもそれは、同じ白球を投げ続ける限り、付き纏うモン。


三日後。


「随分といい顔してんなぁ」
「あったりまえじゃないスか」
「エースがそれなら安心だな」
「だって俺、ここ、大好きですもん」
俺はマウンドを踏みしめた。







オワリ






ていうか、榛名も準太さんも和さんもイマイチ性格とか
わかんないんですけど(笑)
うーん、精進精進。(おお振りでか)
はー何か書くことが好きという感情をまたまた思い出し
ホッとしました。
癒された。
ありがとう、榛名。(そこかよ)


き あ ぬ