アホラレツ｜キノウ｜アシタ
| 2004年12月19日(日) | 77777ｈｉｔ御礼ＳＳ（ミハベとタジハナ？）／かんりょー。 |
そんな素直な君だから
「気になるよな」
「別に気にすることじゃないだろ」
「えーだって気になるじゃん。俺は気になる」
「気にするな。気にするんなら中間テストのことを気に
してくれ」
「いンや！きーにーなーるー。きーにーなーるー」
「田島、お前な」
「だって俺はぁ、はな」
「たっ！」
「お茶、持ってきたよー」
部屋にいた二人の会話が止まった。
一度してしまったばかりに、西浦高校野球部の面子の一部
では三橋の家で試験勉強をするのが通例となってしまった。
その中でも田島、花井は頻繁に来ており、三橋がいなくても
彼の母親に部屋にあげてもらえるほど顔見知りとなっていた。
それは田島が自宅では試験勉強をしないというせいでもある
のだが。
今日も今日とて試験勉強するために、花井は田島を三橋の
家に連れて来たのだが、広げた英語の教科書には目もくれず、
田島は三橋が何をネタにマスターベーションをしているのか
そればかりを気にしているのだ。
そもそも初めて三橋の部屋に入ったときに、そういった類の
本やビデオなどがまるで見つからなかっただけに、田島は
三橋が一体何で処理しているのか気になって仕方ない。
実際田島自身はどうなのかと言えば、
「俺も散々使ったけど今は使ってねぇ！」
と意気揚々と答え、
「俺は今花井！」
ととんでもなく正直に自身のネタをばらしてしまうので、
花井としては気が気ではないのだが。
「なーなー、三橋」
「んっ？」
「俺、わかんねーことあるんだけど、聞いてもいい？」
「何？え、でも、俺にって、俺、答えられる、こと、なん、
かない、けど、ね、花井く」
「あぁもう黙ってろ、お前は。ほら、これ何て読むんだ？」
「え？これ、教えてもらってねぇ！」
はぁと溜息を吐いて、花井は教科書に蛍光ペンで印をつけた
英単語を発して田島に読み方を教える。
「田島の質問には俺が答えるから答えなくていいぞ、三橋」
「何だよ、ソレ！」
プンとふくれた田島を横目にしながら、花井に「そ、そう？」
と三橋は安心したように笑った。
安心されても困るわな、と花井は思う。
田島の好奇心はどこまでも続くし、興味はなかなか潰える
ことがない。おそらくは三橋が答えるまで質問し続ける
だろうし、自分がその場にいれば今のように会話を断つ
ことができるが、いない場合はどうしたもんかと思う。
とはいえ、田島が質問したところで、三橋はしどろもどろ
で答えるどころではなさそうだが。
「俺が答えるなら、花井、答えてくれよー」
「だから、この単語の読み方は、」
「違うってー。俺の質問はぁ」
「よぉ」
唐突に部屋のドアが開き、阿部が入ってくる。花井の顔が
思い切り曇った。
「何だよ、そのツラ」
「いや、別に……」
「ふぅん」
タイミング悪いんだよと花井は思った。その質問はきっと
阿部にも及ぶに違いない。嫌な予感がしてちらと田島の
方を見れば、田島はにんまりと笑っていた。
そんな二人の様子に何も気付かず、ただ花井の答えに納得
しかねる顔をして阿部は教科書やノートが広げられたテー
ブルの空いている一角に腰を下ろす。
「わーい、阿部が来たー！」
途端喜んだ田島に花井は頭を抱えた。
「来ちゃ悪いか？」
「わ、悪くなんか、ない、よ、ね、阿部くん」
「阿部、とりあえずは三橋の数学、見てやって」
「あ？あぁ、どっかわかんねぇとこあんのか？」
鞄から教科書を出しながら、さっきからまるで『＝』から
先が進んでいないらしい三橋のノートを阿部は見る。
「お前、そこ、一昨日教えたばっか……」
「ごめ、ごめん。ふくしゅ、したんだけど」
「まーいいよ。それはさ」
テーブルの上に置かれたシャーペンを手にとって、阿部は
三橋のノートに書かれた方程式をさらさらと解き始めた。
ここはこうで、こうなるだろ、だから、この��を移項して
そうするとｙが――阿部の講義が始まり、三橋も目の前の
方程式に集中する。田島がつまらなそうな顔をしたが、
花井はそれにホッとした。
とりあえず暫くは例の質問を振ってくることはないだろう。
が。
「なぁ、阿部」
「何だ？今三橋に教えてるから、これ終わったらお前な」
「数学じゃなくて、すぐ教えられることー」
「何？」
「いや、田島、とりあえずここのページの単語覚えたらな」
「やだ！」
「やだって、試験勉強しに来てんだろ！やれって！」
「やだよ！」
「って何お前ら喧嘩始めてんだよ。別にいいぞ。田島が
聞きたいことあるってんなら」
バーカーヤーローウーと目に字を浮かばせる勢いで花井は
阿部を睨みつけた。阿部は首を傾げながら眉間に皺を寄せ
つつ花井から田島に視線を移し言った。
「何、田島？」
あんなに嬉しそうな顔をする田島はそうそう目にすること
はないし、あんなに嫌な顔をする花井もそうそう目にする
ことはない、と何を聞かれるのか知らない阿部は呑気に
思っていたのだが。
「お前さ、オナニーのネタって何！？」
意気揚々と満面の笑顔で聞いてくる田島に阿部は思い切り
拳骨を食らわせた。
「いったーい！ひでぇ！聞いていいっつったじゃねぇか！」
「お前な！聞いていいことと悪いことがあんだろ！」
「ひでぇよ、聞いていいって言ったよな！言ったろ、な、
三橋、言ったよな、阿部！」
殴られた頭を擦りながら、田島は突然起こった出来事に
きょとんとしている三橋に詰め寄った。
「何ならお前が答えてもいいんだぜ？」
「へ、え？答えるって、何、あの、田島、くん、阿部くん
に、何聞いたの？」
「えっとー、オナニーのネタは何かって聞いたんだ！」
「お？」
「オ、ナ、ニー」
にんまり笑う田島の横で、阿部は怒りを露わにし、花井は
すっかり諦めきった顔をしている。その中で三橋は何が
何やらという、挙動不審を絵に描いたような表情を浮かべ
脳内では田島の問いかけを一生懸命に考えている。
「三橋、考えなくていい」
「そうだ、三橋、考えなくていいぞ」
「いンや！考えろ、三橋！」
田島がそう言ったら今度は花井がガツンと拳骨を食らわせた。
「いってぇ！」
「聞いていいことといけないことが世の中あるんだ。ほら、
いいかげん単語覚えろよ」
「いいじゃんか、なぁ！お前だって気になるだろ、阿部が
何でオナニーしてんのかとか」
「へっ！？」
三橋の顔が途端真っ赤になる。そしてまた花井の拳骨が
田島飛んだ。
「いてぇってば！」
「いい加減にしろ！阿部に数学教えてもらえなくなるぞ！」
なぁと花井が阿部を見れば、憤怒に震える阿部が顔を真っ赤
にし、拳を握り締めていた。
「田島……」
「あ、阿部、やだな、怒ってる？怒るなよー、これくらい
へっちゃらに答えてくれよー」
「一発殴るくらいじゃ収まりそうもねぇな」
「阿部ってばー」
「あ、阿部、田島にも悪気はない、し、だから、」
「悪気がないなら尚更性質が悪い」
組み合わさった指がポキポキと鳴らされる。阿部の眉間に皺
はこれでもかと深くなる。花井としてもフォローのしようは
ないし、あぁこれは田島が命を失うのも時間の問題だと両手
を顔の前で合わせようとすれば、
「阿部、阿部くん、だよ」
肺の中の息を全部吐き出したかのように、そう言葉を発して
三橋は急いで息を吸い込んだ。肩でぜえぜえと息を吸っては
吐いて、言い切ったことに安堵の表情を見せる。
「お、ま……え……」
阿部の顔から赤みが消え、一気に白さが浮かび上がる。三橋
はニコニコと笑いながら阿部を見る。あぁこれは三橋が殴ら
れるかもしれないと花井は合わせようとした手を阿部へと
向けた。
「そうなんだ、そうなんだ、そーうーなーんーだー！」
俺はねー、花井！と田島は嬉しそうに言い放ち、その言葉に
花井は阿部を押さえ込もうと準備していた手を田島の頭に
裏拳として放った。
花井の裏拳にダウンした田島とは逆に、三橋はただニコニコ
と阿部を見ている。
「三橋……」
その邪気のない顔に阿部はどこに怒りをぶつけて良いものか
力を込めた手の行き場を失った。
「あ、あの、阿部、くん、俺、ヘンなこと、言った？」
怒ってる？怒ってる？と笑っていた顔が泣き顔に変化して、
オドオドと三橋は阿部の顔を覗き込んだ。花井はそんな
三橋の表情の変化を気付くと、その視線の先にある阿部を
見た。
「言った」
仏頂面でそう言うと、毒気を抜かれた阿部は力を込めていた
手を解く。
「よかった、俺、阿部くんにきら、嫌われた、か、って
思っちゃ、った」
またニコニコと笑う三橋に阿部も苦笑せざるを得ない。
本当にこればっかりはどうしようもないと言うか、許さざる
を得ないところではあるのかもしれない。
惚れた弱みか？
そう思いつつも、阿部は素直すぎる三橋に時に困ることが
あると痛感するのだった。
「花井」
「何だ？」
「お前も大変だな」
ダウンしたままの田島の半口開けた間抜け面を横目に、
とりあえず花井は笑ってみせた。
オワリ。
★
日記カウンタ77777hit御礼はおお振りでミハベもしくは
ハルアベだったんですが、踏んで下さったのがＲカさん
で、タジハナがお好きなものですから、一応そのテイスト
も込めたものを書いてみたんですが……どーでしょうか？
お初おお振りＳＳでした。
ダメだなー。さすがに読み込み足りねぇ！妄想足りねぇ！
って按配ですかねぇ。
三橋んちでの勉強会ってのは他所様のおお振り感想で
「うわ、そんなおいしいことがあるの！？」とウキウキ
でコミックスに出るのを楽しみにしているトコなんですが、
その後どういう感じになったのかわからず、ワタシの脳内
だけの設定補完っつーか、そうなっちゃってます。
いろいろ間違っていたらゴメンなさい。
ていうか、田島様、こんなキャラでいいのかな（笑）
ともあれ、遅くなりましたがＲカさんへ！
こんなんでゴメンよー
今日はこれからチャットをするため、お風呂は早めに
入ってノンビリしようと思います。
日記で年内書くＳＳは 80000hit御礼の十一番隊ＳＳと、
塚乾ＳＳの続き、できれば明日、日番谷くんのお誕生日ＳＳ
が書けたらいいなーと思っております。
サイト連載の続きも徐々に書き出していくつもりです。
1月までと延期したけど、年内にどうにかなりそうな、気が
しないでもないが、やっぱり1月ということにしておきます。
久々にプロレスのビデオゆっくり見た。
真奈美さん、本当に綺麗。
ＧＡＯＲＡでこの前の山田敏代引退セレモニーがやるそう
なので、もし入ってる方がいらしたら見た方がいいです。
あの赤いテープに埋まったリング、それは本当に見る価値
があると思います。
-----------------------------------------------
製本も終わり、箱詰めもしたし、あとは明日発送するのみ
であります。
はー、一段落。
これで無事に、という言い方もアレですけど、ワタシの冬
コミ準備は一旦は終了ということになります。
当日己が行くのみ、ですね。
ホッとしつつも何か忘れてたり、何かしでかしたりしそう
で怖いんですけど（笑）
昨日は忘年会で、とても嬉しいことがあって、あぁ良かった
なぁと思いました。
ワタシのした選択が間違っていたのかなんてそんなもん、
本人だって他人だってわからないけれど、でも、一緒に
頑張ろうとしてくれる人たちがいるのはとても幸せなこと
だと思うのです。
もっと、もっと、ワタシは頑張らなくちゃいけないな。
プレッシャーをかけるというのではないけれど、来年はまた
少しいろんな勉強をしなくてはならないと思いました。
それはきっとワタシのためだけじゃない、ワタシの周りに
いる皆のためにもなることだと思うので。
そう考えると、そろそろこっちの世界も潮時かしらとも
思わなくもない。
ママの横で普通にコピー本の製本してたりしたけれど（笑）
いろんなことを考えたら、ピリオドの向こう側へ行かない
といけない時期も来るんですよね。
年齢がどうとか環境がどうとか、やっぱり生きてく上では
同人より実生活が第一だし、実生活の中の『余裕』という
時間があればこそできるのが同人という面もなきにしも
非ずじゃないですか。
別に『余裕』がなくなるってわけじゃなくて、『余裕』を
他のことに使うようになるかなと、来年入ったら。
英語も勉強したいし、資格とる勉強もしたいし、中途半端
過ぎるＰＣスキルをきっちりしておきたいし。
始まりがあれば終わりがあるように、今年テニスがメイン
ではなくなるように、いつか全てのジャンルが終わるという
こともあるんですよね。
まだ考えもつかないけど、すごく必死に原稿やって、それ
なりに活動して、今一段落したせいもあるんでしょうが、
あぁもうこれで終わってもいいんじゃないかなぁとかしん
みり思ったりしました。
今のところ、申し込んでいるのは１月のシティと２月の
オンリの２つで、５月のスパコミは申し込んでないけども
これは参加するつもりではいます。
夏コミ……これで終わりにしてもいいかなぁと思わなくも
ないんですが、何のかんので続けてんだろうな（笑）
とりあえず冬から『松本乱菊貯金』を始めて、夏には乱菊
さんのアンソロっつかファンブックみたいなのを出したい
と目論んでおりますから、夏までは活動します。
そっから先はちょっと自分でも読めない。
乱菊さんのお誕生日は祝いたいから確実に９月２９日までは
やってるでしょうけど。
萌えがある限り同人はできるんだけどね。
さー今日は日付が変わったときにお誕生日おめでとーを
言いたいので日番谷くんお祝いチャットします。
独り言チャットでも気にしないであげて下さい（笑）
