夕暮塔...夕暮

 

 

棘のない - 2005年05月10日(火)

今を盛りと咲き誇っている木香薔薇を撮りたくて、午後の日差しが途切れないうちに外に出なければと思うのに、作業の進捗はどうにもはかばかしくない。あと少しと思っているうちに陽が暮れて、とろとろと甘い飴を溶かしたような色になった西の雲を眺めながら歩くと、淡い黄色の花をたっぷりつけた大木にたどり着く。たわわに結ばれた花の重みで自然にカーブを描くその姿は、地上に光を差し伸べるようで優しい。葉先の方に触れてみてようやく思い出す、そういえばこの薔薇には、棘がないのだった。


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