やがては - 2003年12月31日(水) 何もかも やがては瞼の裏にしか映らないように流れ去ってく *********** ** * * どのボタンを押しても全く動作しなくなってしまった携帯の暗い画面を見ているうちに、もうここでメモリごと綺麗さっぱり手放しても良いかと思い始めていたのだけれど、返事を待っているだろう人の顔を思い出したら僅かに胸がざわついた。こんな小さな玩具みたいなものを過信したらいけないとわかっているのに、こういう事になるまではいつも先送りにしている。電子機器を介した絆なんて脆い、おぼろげでしかなくとも、本当に信じていいものは自分と相手の間にしか結ばれていない。 ……… 紺色の闇に満ちた広い冬野に、鐘の音が静かに響く。音のする方から微かに風がなびいて頬をかすめる、途切れ途切れの鐘の音と、水が流れる音だけが世界を震わせている。灯りも乏しい深夜というのに山のなだらかな背がくっきり浮かび上がって、その真上に登った大きな金色の月の船、白い煙に似た群雲の合間からは星の海。ねえ、とても、美しい除夜です。そちらはどうですか。彼だけではなく、今年関わり合ってきた人達にせめて何がしかの言葉をと思うけれど、うまく纏まらないままに手元をすり抜ける。 どうか、歓び多き一年となりますように。 -
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