太陽が眠ってしまった話。 - 2001年08月18日(土) 今日は夕暮れが美しかった。 蛇とか蛙の類が怖いから夏の犬の散歩はちょっと苦手だけど、夕暮れどきは別。犬と歩いているうちに、見る見る田舎の広い空が夜に近づくのは楽しい。 東から刻々と夜に染まっていて、西の空がとろけた紫の硝子みたいにきれいだったから、弟に散歩に行こうねと言ったのに。 聞かないふりでソファでぐうぐう眠ってしまった。 ソファの下に座って、日焼けした顔をじっと覗き込む。 日焼けは日増しにひどくなるばかりで、今日あたりからは鼻の頭の皮がむけてる。生まれつき肌が弱いから、本当は日焼け止めを塗るべきなのに、野球少年としてはかっこわるくてそんな事はできないらしい。 額をそっと撫ぜる。伸ばした爪で、傷つけてしまわないように。 既に空は闇をいっぱいに満たして、わたしは散歩をすっかり諦めてしまった。 伏せた睫毛の黒々とした艶。小さい頃は本当に色素が薄かったのに、いつからこんな風になったんだろう。焼けた伸びやかな手足は夏を表象するようだけど、そこここに荒れた様子の見える肌が、少し痛々しくて。 切なくて愛しい。 私の太陽が眠る。その名に灼熱の星とひかりを冠して、今も昔も私を照らす。 -
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