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日常茶飯事×日常茶目仕事
アキラ
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2001年12月07日(金)
やっちゃった。

本日の日記。…日記。これは日記のはずだ、いや日記以外であろうはずがない。というのも今から私がやろうとしていることが日記という部類に当てはまらないからなんだけども(結局日記じゃなくしてるのは私)。まあ、そのやろうとしていることはまた後で。とりあえず日記を。

今日は4月の入学以来久しぶりで制服登校。制服というよりむしろリクルートスーツのような格好だったわけですが。タイトスカートな上に短く、足元といえばストッキングだけ。これで自転車こげばそりゃあ身体が冷えもするわ。駅に着く頃にはお腹痛くて死にそうでした。駅と電車の中で二回も…いえ、なんでもありません。ゲフン!まあ朝から最悪だったわけなんですが。説明会の間はまあ、なんとか大丈夫で事なきを得ました。NHKで特集を組んでいた就職戦線と同じようなことを言われてしまい、もういい。と思いつつちょっち落ち込んでしまったり(笑)のわりに話し聞いてる間眠そうだったという突っ込みが何処からともなく聞こえてきそうな気がしなくもないような…(うっとうしい)。

学校の帰り。といっても電車の中でなのですが、今日は小説を書いてました。そんなところで書くんじゃないって何度言われたか解りませんが久しぶりにやっちゃいました。誰に言われたかは黙秘。それで、日記と関係なくなるって言うのはこれのせいですね。ここに載っけます。ガ●ダムです。興味ない人は読み飛ばすことをオススメ。時間を無駄に過ごしてしまったと後悔したくなければ、ね。だって書きたいエピソードいっぱいでなんだかもう支離滅裂。
では、GO?!





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夕べ少女は遅くまで、庭にひとりしゃがみこんでいた。
涼しくなってきて、部屋へ戻るように言っても、ほとんど耳を貸さない。
傍に歩みを寄せると、何かを必死で隠していた。


「兄様にはヒミツ…。」


出発の準備に忙しく、かといって妹にその訳を話す事も出来ずに放っておいたので、そのことに腹を立てているのだろうと、そう思っていた。




* * *




「ラル、ラル!」

幼い少女が扉を押し開け、廊下に飛び出た。
少女の声は酷く痛々しく聞こえる。
ラル−−そう呼ばれた老人が廊下を歩いてくる。

道すがらの扉たちは全て開け放たれたままで、風もない部屋ではただ静かにじっと動かない。もっとも、空調のよく整備されたその屋敷では、地球の環境下とはいえコロニーの大気さながら穏やかなものだ。

「ラル…兄様は?兄様は?」

少女のアイスブルーをした瞳には涙が蓄えられて今にも零れ落ちてしまいそうだ。震える手で涙をかくすこともせずに、少女は必死で老人の袖にすがった。老人からの答えが返ってこないことは少女も充分に理解していた。それでも、彼女はそうせざるを得ないのだ。

頼ることが出来るのは今まさに目的としているたった一人の兄と老人しかいなかったから。


掴んだ腕はそのままに、俯いてしまった少女。
と、その顔が何かに憑かれた様に持ち上がる。
遠くで金属音が聞こえる。
少女はわき目もふらずに駆け出した。

後ろで老人が呼ぶのも、すれ違う使用人たちがかける挨拶の声も届きはしなかった。

耳元で心臓が早鐘を打つ。それを聞きながらも少女は階段を駆け下り長い廊下を走る。突き当たったドアを力いっぱい押し広げる。その間ずっと、心は兄の名前を呼びつづけた。人前で呼ぶことを禁じられた、それでも忘れることなど決してない真実の名を。

11月の涼やかな風。
薄く色づいた芝生のにおい。
ほの明るく染まった庭に兄の背中を探した。

金属音を立てたであろう門扉の方を見やるけれど、それは遠くはなれているために人影を見極めることが出来ない。

駆け出していた。




カタン。。。




門扉が目の前で閉じられるのを、少年はじっと見ていた。
閂が下ろされるのを少年はただ見ている。
そう、ただ見てるだけなのだ。意識はここにはなかった。

視点からはなれ、視界の外に向かえば向かうほど瞳の中に映る景色はぼやけている。

「おはやく…」

荷物を積んでいた御者が、少年に恭しく声をかけた。
はじかれる様に振り返る。

とたん少年の瞳は現実の世界に引き戻され、アイスブルーに一瞬の揺らぎが走った。これから捨てていく幸せな世界と、その象徴とも言えた大切な妹のことが脳裏に焼きつく。
これから自分の身におこるであろうこと、自らで引き起こすであろうことを思い少年は小さく身震いをする。その中に、妹を引き込むことは出来なかった。彼女には、幸せだった自分の過去を思い出すための鍵であって欲しかったからだ。

なんて身勝手なのだろうと、自分の考えに頭を振りながらも、今自分のとっている行動も、彼女にしてみれば自分勝手以外の何物でもない事を思うと、自然と頬には自嘲の笑みが蓄えられる。

どうか君は、幸せに…



手すりに手をかけて車内に足を踏み入れようとしたときだったろうか、風が吹いた。

カタン。。。

閂と門扉が触れる音が軽く響く。

カタン。。。

音が何かを呼んでいるようで後ろ髪引かれる。

カタン。。。

そんなはずもないのに。  これは私の心の表れだろうか…

カタン。。。

このぬるま湯の世界にいたいと…  ただ妹のそばで笑っていられたらと…

ガシャン !!!




少年の思考を打ち払うように、門扉は大きく揺れた。

「兄様!!」

かけたはずの足が固まる。
それ以上振り返ることも、車に乗り込むことも出来ずに立ち止まる。

妹の、それは聞きなれた私を呼ぶ声だった。
背中でその声を受け止める。
振り返りたかった。

一緒に行くと、連れて行って欲しいのだと、必死に声を上げる妹に、何処へも行かないと、傍にいてやると笑いかけてやりたかった。いつもそうするように優しく抱き上げてやりたかった。

けれど、それをするのはもう、自分の役目ではなかった。
彼女が「兄」と呼ぶ人間は、もうこの世から消えてなくなるのだから。
私の中で失われかけているのだから…。

「いやだ、放して!…にいさまぁ!!」

大人たちが彼女に追いついたのだろう。
彼女の声はだんだんと背中から遠くなる。

俯かずにはいられない頭を何とか持ち上げて、車に乗り込んだ。


「キャスバル兄様!!!」


妹の、それはたった一度の我がままだった。

人前で呼んではならぬと禁じられた名前。彼女はそれを守り通した。
父を失い、住み慣れたコロニーを離れて、この青い星に着てからも、私達は素性、あるいは存在そのものを隠さなければならなかった。遠くに聞こえる同じ年頃の子供達の声を耳にしても、それでも彼女は屋敷の敷地から黙って出ることはなかった。

『にいさまがいてくれるから…』

それはいつか、バルコニーから外を眺める少女に「寂しいか」とたずねて得られた答えだった。


思わず振り返ってしまう。
けれど、車のドアは閉じられて、スモークガラスの向こうの妹はもうほとんどおぼろげだ。

どんどんと小さくなってゆく妹の姿。
屋敷から離れゆく車。
妹の姿が見えなくなって、屋敷がはるか遠くに小さくなる。

パサッ…
ほとんどない手荷物の中から何かが落ちる。
軽い緑とやわらかい白。
シロツメクサ…幾重にも編みこまれた、それは冠だろうか。


『兄様にはヒミツ…。』


こぼれる涙の中、少年はじっと見ていた。
小さく温かく、ただ一つ守りたいと思う。自分の中の優しい存在、アルテイシアを。



屋敷のバルコニー、少女はただじっと小さくなる車を見ていた。
その瞳は少年のそれと同じようにアイスブルーの色をして輝いている。


「キャスバル兄様、お誕生日おめでとう。」


幼い頬の雫を、風がさらった。


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11月にシロツメクサって…思いつきで書くもんじゃないね。ゴメンヨ。
そして読んでくれた方には大感謝でございました。
赤い人のお誕生日に何もしなかったので、というわけではなく
私の趣味です。美しい兄弟愛って憬れる。

うちは醜い姉妹争いなら繰り広げられるんだが…。