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題名に、「日記と言うよりメモ」の言葉が含まれた場合は、 母の様子や入院等についての内容が書かれています。 ここに、ガンのコトが少し書いてあります。


2002年07月21日(日) 日記と言うよりメモ(帰り際の行動)

私が午前中、病院につくように出た。
12時を少し回った位。
よっ!声をかけて病室に入った。

リンゴがボケてた。
ん?
リンゴを食べたけどボケてたの。
そっか。
やっぱスイカが美味しいね。
あはは、旬のスイカには美味しさ勝てないよね。
お父さんが剥いてくれたんだけどね。
あらーそうなんだ。
うん、せっかくお父さんが
剥いてくれたけど美味しくなかったの。
突然、母が
赤ちゃん可愛いねぇと言ってニッコリした。
赤ちゃん?誰?
アヤネちゃん。
アヤネちゃん?『親戚にいたっけ?』どこの子?
母は、半ギレになりながら
なんで何で何でって聞くの!もー!
イズミモトヤの所のアヤネちゃん!!
『ワケが判らない・・・』
知らないよ、ワイドショー見てないもん。
なんでよ!
会社に行ってるから。
・・・。

14時頃看護婦さんが母の点滴を見に来た。
その瞬間、母が
お母さんのことだけ考えていれば良いの
と言った。
唖然とした。
今まで人を気遣うことしか考えなかった母が
何を言い出したのか、自分の耳を疑った。
今の私に言ったの?
そう。
私はお母さんが、ボケてないと思って
接してるからね。変だと思ったら突っ込むよ。
・・・。
しっかりしなさいよ!あんたそんなこと言う
母親じゃなかったでしょ!
・・・・。
目を閉じてしまった。
眠っているんだか起きているんだかもう判らない。

時間だけが過ぎていく。

私も母のそばでウトウトした。
暑くなってきたので
お水飲む?
頷く母。
一気に結構な量を飲んだ。
と言っても普通の人の3口分位だ。

やがて妹が来て、父が来た。
リンゴが美味しくないと文句を言う父に
だったら自分で探して買ってみたら?と言いたいのを
ぐっとこらえ、桃は食べないと言ってるのに
桃を持ってきた父に、桃をまた持たせた。

父が帰り、私達も帰る時間が近づいてきた。
そろそろ帰るよ?
手を差し出す母。
ん?起きあがるの?ちょちょっと待って。
背負ったリュックを慌てて下ろす。
妹と片手ずつ引っ張り、
妹が母の後ろに座り、人間座椅子状態だ。
どうした?
じっと顔を見られる。
起きたかった?
頷く母。
2〜3分バカ話をして
そろそろ疲れるといけないからね
またベッドへ横にした。



私が昼間、怒ったことを母は理解したのだと思ったら
切なくて帰り道涙が出た。
やっぱり母のことだけを
考えていいのかもしれないと思った。


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