誰かのコト 私のコト
全部 ☆ 前↓ ☆ 先↑

My追加
題名に、「日記と言うよりメモ」の言葉が含まれた場合は、 母の様子や入院等についての内容が書かれています。 ここに、ガンのコトが少し書いてあります。


2002年05月04日(土) 日記と言うよりメモ(招きたくない見舞い客)

母が好きなバラの花束を抱え病室に入ると、
見かけないご夫婦がいた。

誰だろう?そう思いながらも笑顔でいた。
「お母さんの許可を貰ってきましたよー」
ご婦人がそう言った。

あぁ思い出した・・・Sさんだ。急に気持ちがどんよりした。
少し変わり者のSさん。
母をすっごく慕ってくれているSさん。
入院先を教えなかったから、5件以上の病院へ
電話をかけて探したSさん。
悪い人じゃないけど・・・。


チラッと妹を見る。
Sさん達を視界に入れないようにしている。
・・・仕方ないな。私が応対するか。
Sさんからのピンクのカーネーションを
飾るように頼み、母とS夫婦の会話に加わった。

ご主人の入院話や、怪我の話を一通りした後
ご婦人が「楓ちゃん亡くなったんですってね」
えぇ・・・
「残念だったわね・・・」
えぇ。
[そりゃストレスだ、飼い主がいないストレスだな]
ご主人の言葉に空気が凍りついた。
S夫婦は気がつかないで話が進む。
お布団を頭までかぶった母が視界に入る。

母が病気で入院したからこんなことになったと
自分を責めているので、やめてください。

小声で話を直接止めた。
妹とほとんど同時だったと思う。
言葉は小さく、それなりの言葉だったが
私の目つきはどうだったんだろうか
ぶっ飛ばすぞ!位だったかもしれない。
私はご主人と合わせた目を、決してそらさなかった。
妹はお願いするように手を胸に合わせ、
その話題はやめてと言った。

嗚咽しか病室に響かなかったのは、一瞬。

ご婦人が言う。「そうよストレスよ」
[やめないか!]
[話題を変えろって言ってるだろう!]ご主人が怒鳴る。

私が急に入院して、その時抱かなかったけど、
ちゃんと言い聞かせてきたの。今回の入院の時は
抱いたし、言い聞かせたんだけど・・・。
泣きながら答える母。

話題をご主人が強引に変えたので、
それに無理やり乗っかって話を弾ませる。
その話題も、イチローの怪我と、宇多田の病気だから
話題としては全然納得がいかないけど、楓の話よりましと
自分に言い聞かせながら。


1時間たっても帰る気配がない。母の様子も少しおかしい。
妹と廊下で打ち合わせる。
看護婦さんの所へ行き、婦長さんへ
そろそろ母もくたびれているので、追っ払って頂けますか?
と笑顔で頼んだ。
「あっはっは!判ったわ、すぐ行くから。あっはっは」
顔に全然似合わず、豪快に笑って了承してくれた。
5分もしないで、婦長さんが体温計と血圧計を持ってきてくれた。
部屋を出ようとしないS夫婦に
「お部屋から出てください」と言った。
私は一緒に部屋を出て、ご主人に釘を刺す
今日はありがとうございました
またもし寄っていただけるのであれば、土日にお二人で
お願いします。平日は薬の副作用で体調や感情に波があるので。
[女の患者のところなんて俺はもう来たくないよ・・・]
ご主人の言葉は、ホンネで、色んな意味があったと思う。
ご婦人がちょっと変わってて、ご主人は仕事の関係上か
べらんめいなんだよね。


婦長さんは全ての作業が終わっても、病室にいた。
「また戻って来そうなんでしょ?私からお見舞いは短時間でって
言った方が角が立たないから、言うわよ?(笑)」
そう言ってくれて、母と妹と笑った。
そうそう、この婦長さんは体温計のスイッチを
入れないまま母に渡し、話をしていたの。で、
もう良いかしら?といって受け取った体温計に
数値が出てなくて、
あら?ってまた母と笑ったんだって。

婦長さんに、もう帰るようですから後は大丈夫ですと告げると
「そこからが長いわよ(笑)」と言われ一瞬たじろいだが
まぁ10分かからず帰っていた。
母は疲れたと言い、妹のおトイレは?の問いに
我慢してた(笑)と答えた。
廊下を見ると、S夫婦がおトイレの前でうろちょろしてた。
・・・・。もうちょっと待って。今なら良いよ。

母が1番疲れただろうが、私達も疲れた。
やっと落ち着いた時、もう一人疲れの原因父が来た(笑)
S夫婦が今まで来ていたことを伝えると
そうかと笑って残念そうな顔をした。

妹が次は何時来るのだろうと心配していた。
週末の土日に来てくれと言ってあると妹に説明すると
私達がいない時間よりいたほうが良いもんねと
納得した様子。
でしょ?


全部 ★ 前↓ ★ 先↑
Z |MAIL

しばらく読んでみようかな→My追加