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題名に、「日記と言うよりメモ」の言葉が含まれた場合は、
母の様子や入院等についての内容が書かれています。
ここに、ガンのコトが少し書いてあります。
2002年05月04日(土) |
日記と言うよりメモ(招きたくない見舞い客) |
母が好きなバラの花束を抱え病室に入ると、 見かけないご夫婦がいた。
誰だろう?そう思いながらも笑顔でいた。 「お母さんの許可を貰ってきましたよー」 ご婦人がそう言った。
あぁ思い出した・・・Sさんだ。急に気持ちがどんよりした。 少し変わり者のSさん。 母をすっごく慕ってくれているSさん。 入院先を教えなかったから、5件以上の病院へ 電話をかけて探したSさん。 悪い人じゃないけど・・・。
チラッと妹を見る。 Sさん達を視界に入れないようにしている。 ・・・仕方ないな。私が応対するか。 Sさんからのピンクのカーネーションを 飾るように頼み、母とS夫婦の会話に加わった。
ご主人の入院話や、怪我の話を一通りした後 ご婦人が「楓ちゃん亡くなったんですってね」 えぇ・・・ 「残念だったわね・・・」 えぇ。 [そりゃストレスだ、飼い主がいないストレスだな] ご主人の言葉に空気が凍りついた。 S夫婦は気がつかないで話が進む。 お布団を頭までかぶった母が視界に入る。
母が病気で入院したからこんなことになったと 自分を責めているので、やめてください。
小声で話を直接止めた。 妹とほとんど同時だったと思う。 言葉は小さく、それなりの言葉だったが 私の目つきはどうだったんだろうか ぶっ飛ばすぞ!位だったかもしれない。 私はご主人と合わせた目を、決してそらさなかった。 妹はお願いするように手を胸に合わせ、 その話題はやめてと言った。
嗚咽しか病室に響かなかったのは、一瞬。
ご婦人が言う。「そうよストレスよ」 [やめないか!] [話題を変えろって言ってるだろう!]ご主人が怒鳴る。
私が急に入院して、その時抱かなかったけど、 ちゃんと言い聞かせてきたの。今回の入院の時は 抱いたし、言い聞かせたんだけど・・・。 泣きながら答える母。
話題をご主人が強引に変えたので、 それに無理やり乗っかって話を弾ませる。 その話題も、イチローの怪我と、宇多田の病気だから 話題としては全然納得がいかないけど、楓の話よりましと 自分に言い聞かせながら。
1時間たっても帰る気配がない。母の様子も少しおかしい。 妹と廊下で打ち合わせる。 看護婦さんの所へ行き、婦長さんへ そろそろ母もくたびれているので、追っ払って頂けますか? と笑顔で頼んだ。 「あっはっは!判ったわ、すぐ行くから。あっはっは」 顔に全然似合わず、豪快に笑って了承してくれた。 5分もしないで、婦長さんが体温計と血圧計を持ってきてくれた。 部屋を出ようとしないS夫婦に 「お部屋から出てください」と言った。 私は一緒に部屋を出て、ご主人に釘を刺す 今日はありがとうございました またもし寄っていただけるのであれば、土日にお二人で お願いします。平日は薬の副作用で体調や感情に波があるので。 [女の患者のところなんて俺はもう来たくないよ・・・] ご主人の言葉は、ホンネで、色んな意味があったと思う。 ご婦人がちょっと変わってて、ご主人は仕事の関係上か べらんめいなんだよね。
婦長さんは全ての作業が終わっても、病室にいた。 「また戻って来そうなんでしょ?私からお見舞いは短時間でって 言った方が角が立たないから、言うわよ?(笑)」 そう言ってくれて、母と妹と笑った。 そうそう、この婦長さんは体温計のスイッチを 入れないまま母に渡し、話をしていたの。で、 もう良いかしら?といって受け取った体温計に 数値が出てなくて、 あら?ってまた母と笑ったんだって。
婦長さんに、もう帰るようですから後は大丈夫ですと告げると 「そこからが長いわよ(笑)」と言われ一瞬たじろいだが まぁ10分かからず帰っていた。 母は疲れたと言い、妹のおトイレは?の問いに 我慢してた(笑)と答えた。 廊下を見ると、S夫婦がおトイレの前でうろちょろしてた。 ・・・・。もうちょっと待って。今なら良いよ。
母が1番疲れただろうが、私達も疲れた。 やっと落ち着いた時、もう一人疲れの原因父が来た(笑) S夫婦が今まで来ていたことを伝えると そうかと笑って残念そうな顔をした。
妹が次は何時来るのだろうと心配していた。 週末の土日に来てくれと言ってあると妹に説明すると 私達がいない時間よりいたほうが良いもんねと 納得した様子。 でしょ?
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