みかんのつぶつぶ
DiaryINDEX|past|will
「あのね、おふくろが死んだって連絡がありました」 電話で聞く義弟の発する声は、どこか懐かしいトーンを含んでいる。やはり兄弟だから似ているのかも知れない。新年の挨拶をしたあとに出てきたこの言葉に義弟の動揺はなく、淡々としたいつもと変わらぬ響きだった。
姑は肺炎で入院して三日目、元気に話しもしていたのに突然呼吸をしなくなってしまったと、義姉が電話口で泣いていた。義姉の心中を感じた瞬間、全身に倦怠感を覚えるほどの悲しい反応が出てきた私がいた。 そう、もろもろの、あの日あの時あの日々、これまでのこれまでに至るまでのことが一気に、なんともいえない感覚で蘇えってきたのだった。
色々な感情が混ざり合う嫁姑の関係。 そう、色んなことがあって。 だから、 とても寂しい。 寂しいよ、お義母さん・・・ あなたが可愛がってくれた私の息子は、 今日で二十歳になりましたよ。 空の上で、タダシくんと一緒に祝ってやってください。
お義母さん、ありがとう。
|