みかんのつぶつぶ
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闘病日記をひっぱりだしてみた。 どこへファイルをしまったのかわからなくなっていた。 見つけ出して構成作業に没頭しているうちはいいけれど、 あらためて読み返してみると、今更ながらに涙涙の徒然な文。
たまらなくなってお風呂で大泣きした。 泣いているうちに息をひきとった彼の顔が浮かび、 私は初めてその顔を見たように悲しいと思った。 そして別れのために泣いて、 別れるのが辛いと泣いて、 ありがとうと、去りゆく彼に言葉を言うことができた。
あれから初めて、 あれからやっと、 心の底から悲しいと涙があふれでてきた。 お風呂のお湯があふれることに幸せを感じて、 その幸せな気持ちになれるのは、 彼のお陰だと感謝できて、 そしてそして がんばって生きてくれてありがとう、 辛いと言わないでいてくれてありがとう、 さよならと言わないでいてくれてありがとう、 そんなありがとうがいっぱいいっぱい心の中から噴き出してきて、 もうダメだと弱音や本音を吐き出さないでいてくれたのは、 お父さんが死んだときみたいに私が大泣きすると困ると思ったり、 あんなに泣いたら子供達が困るだろうと思ったり、 そんなことを考えてくれたのじゃないだろうかと考えたりしたら、 いつまでもいつまでも泣いていたら彼が困るだろうと思ったら涙がとまった。
気が強いのに泣き虫だなと、笑う彼の顔を思い出す。 おまえはすぐに泣くからなと、笑う父の顔を思い出す。
凍りついていた私の心が溶け出した夜。
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