みかんのつぶつぶ
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主治医のF先生は、悲痛な表情だった。 言葉を、終始選んでいる様子が伺えて、 私は、 どうして悪い予感って当たるのかと、 不思議な気持ちだった。 いや、 はるかに、 最悪の結果だった。
脳を守っている膜に、 はっきりと腫瘍が確認できている。 転移ではなく、浸潤していったもの。 これは、最悪のパターンだ。 広範囲に腫瘍細胞が浸蝕していて、 右脳全体、いや、全脳と脊髄、全身にまで、 拡散している恐れは免れない。 もしかしたら。。。 退院は、 できないかも知れないね。。。
病院からの帰り道、 バスの窓から見える景色は、 止まっているように感じた。
悲しいほど、お天気だった。
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