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2008年05月03日(土) 突然の異変



タンポポって、いきなりポンッて綿毛に変異してるから不思議。
綿毛になるまでの、その途中過程って見たことないもん。
竜宮城の玉手箱を開けた浦島太郎みたいな感じなのかな。

ふーっと息を吹きかけると、ふわふわと宙を舞い、
風に乗って遥か遠くの地へと旅する新しい命達。
そしてまた来年、別の地に根を張り、新しい黄色い花を咲かせる。
終わりのない旅。タンポポは、生命力が強いね。



でも、突然異変が起こるのはタンポポだけじゃなくて、
誰にでも起こりうることなんですよね。当然ワンコにも。

4月7日の夕方、あーちんが、吐いたのがその始まりでした。
ワンコが嘔吐するのは、よくあることだし、
留守中にヒヅメで遊んでいたから、欠片でも誤飲したのかな?
って始めは、そこまで気に留めてなかったのだけど、
さすがに、8回吐き続けられたら心配になります。

夜には吐き気も治まり、翌朝は食欲もモリモリ、
元気印そのものだったので、ホッと一安心していたのだけど、
どうもいつもと様子がおかしいのです。
多量の水を飲んで、大量のオシッコをするんです。

30分に1回のペースで、コップ1杯ぐらいガブ飲みするなんて、
明らかに尋常じゃない量ですよね。
当然、それだけ飲めば、何度も何度もオシッコするワケで。
水を多めに用意しておくと、それを全部飲み干してしまうし、
飲み水が無くなると、何度も何度も催促してくるんです。
昨日、何度も吐いてるから水分補給も必要だろうし、
お水を欲しがるっていうことは、解毒作用みたいな、
そういう何か意味があってのことだろうから、
あげないわけにもいかないし。
私も丁度体調が悪くて、ずっとダウンしていたのだけど、
水の補給とペットシーツの交換に追われ辛い一日でした。

そして、一夜明けた9日の朝。
夜中に、あーちんがまた2回吐いた形跡が残ってたんです。
相変わらず、多量のお水を飲んで、大量にオシッコをする。
それよりも何よりも、
あーちんの心臓の動悸音が異常に大きいんです。
胸にちょっと手を触れただけでも、
鼓動がバクバクバクバク爆音を立てているのが、
手に伝わってくるんです。
食欲はあるけれど、昨日のような元気もなく、
ぐったりして口からはヨダレを垂たしているような状態。

元々、心臓に問題のある子だから、この心臓音を聞いて、
まず頭を過ぎったのが、『死』でした。
もういい年なんだから、何が起きてもおかしくない。
そう覚悟はしていたけれど、いざ、目の前にすると、
自分は正気でいられるか、不安で押し潰されそうになる。

しかもその日に限って、動物病院は休診日だし、
とりあえず、獣医のにゃお先生に電話したところ、
症状としては、心臓の病気とは関係ないらしくて、
様子見して、翌日動物病院で診てもらうことに。

あーちんは、不安なのか私から離れたくない様子で、
始終私の膝の上にしがみつくように乗ってて、
私は「大丈夫だよ。だいじょーぶ」って、
自分にも言い聞かせるように付き添ってたのだけど、
その間も、あーちんの心臓の鼓動が、
早鐘のようにドクドクドクドクと、
私の膝に、体全部に、リアルに伝わってくるんです。
もう私の動悸までおかしくなってしまうぐらいに。
私の太ももには、あーちんのヨダレが染みてきて…。

そして、その晩から、5回続けて下痢。
それでもまだお水を催促してくるし、
心臓も変わらずバクバク鳴ってるし、
私ももう不安で心配で気が気じゃありませんでした。
一日が物凄く長く長く感じました。

にゃおちゃんちのるいちゃんも、春先に、
散歩中に除草剤を誤飲したか何かで、
全く同じ症状を起こして、
何日間か点滴入院するほど重体だったらしく、
もう今は回復して元気にしてるらしいのだけど。
そう言われると、ここずっと、
ぽあぽあの散歩は実家の父に任せていたから、
何処をどんな風に散歩していたのかも分からないし、
散歩中に何か食べた可能性も考えうる。
でも、だからと言って父を責めるワケにもいかないし、
こんなに一番身近にいるのに、何があったのか、
どこが痛いのか、どうすればいいのか、
全く分からなくて何も出来ない自分が情けなくて。

そして10日。
前日よりは元気そうでちょっとホッとしたけれど、
心臓は相変わらず早鐘のような爆音を立てていて、
動物病院で院長先生に診てもらったところ、
血液検査では、腎臓や肝臓の数値は問題無いから、
感染症とかそういう類の病気ではないらしい。
心拍も特に雑音も聞こえないし、問題無いらしい。

レントゲンでは、はっきりとは映ってないけれど、
ここが怪しいっていうのがあって、
エコーで見てみると、腸の辺りに確かに異物があるようで、
膀胱を圧迫しているのが分かりました。
そして、その周辺を触ると確かに痛がってる。

どうもこの異物が消化されないまま、
腸の中をゆっくりゆっくり移動していっているので、
食べ物もその障害物が邪魔して消化出来ないまま、
下痢になってしまっているのだそう。

とりあえず、あーちんには辛い思いをさせて悪いけれど、
1日かけてバリウム検査をすることになり、
その結果、その異物はもう腸の終わりの所にあるらしく、
後はウンチと一緒に出てくるのを待つのみと言うことで、
家に一緒に連れて帰りました。

翌日も念の為、動物病院で診てもらったところ、
もう元気だし痛がってないし、問題ないとのこと。

あーちんもホッとしたのか、
心臓の鼓動もいつも通りに治まりました。
(心臓は、あーちんの肝っ玉が小さかっただけのようです)

それから10日後の4月20日の朝。
痛々そうに踏ん張ってるあーちんのお尻から、
やーーっとそれらしきヒヅメの欠片が出てきました。
お尻を拭いてあげるとまだ痛がってる様子だったので、
まだ他にも肛門で欠片が引っ掛かってるのかなぁ?
って軽く考えていたのだけど、その日の夜、
あーちんが、やたら肛門を舐めているので、
お尻を見てみると、肛門の右側が炎症を起こして、
真っ赤になってポンポンに腫れあがってるんです。

触ると痛がるし、普通にしていても痛がっている様子。
日中はずっと元気で平気にしていたのに…。

そして翌日の21日の朝。
あーちんのお尻を見てみたら、腫れは少し引いたものの、
炎症した部分は、パックリと穴が切り裂かれていて、
そこから膿らしきものが出ていたんです。

夜の間に、噛んで穴を開けてしまったのか、
中から突き破ってしまったのか分からないけれど、
傷口がとても痛々しくて。あーちんもしょんぼり。

再度、動物病院に行って診てもらったら、
これは、ヒヅメとは全く関係なく、たまたま偶然、
肛門からバイ菌が入って、肛門腺が炎症しただけで、
膿が出てしまえば、後は傷口も塞がってすぐに治るし、
これは、よくある事なので、気にしなくても大丈夫。
と言われてホッと安心しました。

ただ、今回はヒヅメの事もあって抗体力が落ちてたから、
たまたま発症しやすい状態だったのかもしれないけれど、
肛門腺を炎症させる子は、何度も再発しやすいので、
また忘れた頃に、同じ事が起きるかもしれないそうです。
大きな予防策はこれと言ってないけれど、
肛門腺絞りをこまめにやってあげると多少違うらしいです。

そう言えば、私の体調が悪くなってからだから、
半年ぐらい肛門腺絞りをすっかりサボっていたなぁ。
これだけ一緒にいる時間が長くなったのに、
ダメダメ飼い主だなぁってつくづく思いました。

その後は、すぐに傷口も塞がってキレイに治りました。
しょんぼりしていたあーちんも、すこぶる元気!!
そんなこんなで4月は、
私もあーちんも心臓が縮まる思いで過ごし、
先延ばし先延ばしにしていたワクチン接種も、
1ヶ月遅れて5月に無事にチックンしてもらいました。
(まだ狂犬病接種もあるんだけど)
あーちんにとって、今年は、痛い痛い春となりました。
私も、ただでさえ出費の多い春なのに、お財布もカラカラ。
心身共にどっと疲れて、ダウンして寝込んでいました。

今回、初めて愛犬の『死』というのを現実的に考え、
改めて、私はそれを受け止めることができるのか、
不安にもなりました。

とにかくまずは、私自身が早く元気にならなきゃね…。

ただ今回、あーちんが心臓をバクバクさせるほど、
不安だった時に、ずーっと付き添ってあげれたのは、
あーちんにとって良かったのかも。
お蔭で私の寿命は、かなり縮まったけれど。

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