闇の底に...Cuckoo

 

 

方翼の天使達 - 2001年12月15日(土)

真っ白な雪を眺めた
まるで天使の羽のように大ぶりで
ゆったりと舞い降りるその雪に
どれほど憧れていただろう
それなのにあたしは
道路の脇に固まる黒くなった雪のような
そんな自分になってしまった
そんな事を気がついた冬の訪れ


雪が降りましたよ
初雪なんてそんなかわいいものじゃありません
大雪とまではいかないけどね

雪は好きじゃない

そう公言している。

でも本当のところ 結構好きだったりもする。
水鳥が好きのは
雪が降り出す直前からだったりする
雪の白さのせいなのか
雪が降ると人は家に篭るからなのか
外の音が無くなる
車のかすかな音のみの静寂の世界
家々の明かりがぼんやり見えるのも好き
すごく孤独に感じられる瞬間でもあるんだけど
現実と夢との境界線が曖昧になるような
そんな感覚がなんともいえず好きだったりする

去年の冬
元旦那がまだ家にいて
別居寸前だったある雪の夜
いつものように喧嘩して
でも親と同居の水鳥には行き場所が無く
一人ベランダで外を眺めてた
親に喧嘩してる事を悟られないように

ただじっと
黙って
何時間も震えながら眺めてた雪は

すごく冷たくて

他人行儀で

恐ろしく綺麗だった


奴が寝付くまで部屋に戻れなくって

泣きたくなったけど

雪を見ているうちに

なんだか馬鹿らしくなって

フッと笑った記憶がある


雪に悲しい記憶を残したようにも思えるだろうけど

水鳥にとって雪は

やっぱり

現実と夢との境界線を曖昧にする

不思議なものである事に

なんら変わりないことを

今日の雪で知った



天使の羽が舞い降りる

方翼を無くした天使達が

もう一度 空に飛び立とうと羽を広げる

あっちにもこっちにも 

空を眺め

舞い降りる羽を拾い

それでももう二度と

飛び立つ事は出来ないのに


...




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