徒然へたれ日記
鈴村 凛音



 突発sss

「……あ、今日って四月一日か」
 慶国、金波宮。朝議が終わって自室に戻っていた陽子が、唐突にそう呟いた。横にいた鈴は、その呟きを聞いて首を傾げる。
「それがどうかしたの?」
「んー、いや、エイプリルフールだな、と思って」
「えいぷりるふーる?」
 横文字である。大正生まれの鈴が横文字に強い筈はなく、思いきり顔を顰めた。
「陽子って時々、わけわかんない事言うわよね」
「あはは、ゴメンゴメン」
「で、何なの? そのえいなんたらってのは」
「エイプリルフール。英語だよ。直訳したら四月バカ」
「バ……」
 妙な言葉に、鈴は目を丸くした。わけがわからない。
「……何なの、ソレ?」
「向こうで戦後になって入って来たやつだと思うんだけど、その日は嘘をついていい日なんだ。で、人を騙して遊ぶ日なんだよ」
「……とんでもない行事ね、それ」
 鈴は心の底からそう呟いた。人を騙して遊ぶなんて、かなり悪趣味である。
 鈴の憮然とした様子に、陽子は苦笑した。
「まあね。だけどもう定着しちゃってるもんだから、みんな大抵騙されないよ。まあ軽く考えて。んーだけど……」
 そう言って、陽子は何やら考え込む。鈴は再び首を傾げた。
「どうしたの?」
「いや、景麒を騙してみたらどうだろうと思って」
「……………」
 鈴は深々と溜息をついた。
「やめなさい。台輔、泣くわよ」
「えー?」
「えーじゃないの! ほら、浩瀚様待ってるんでしょ? さっさと政務室に行きなさいっ」
 ……こうして、陽子のくだらない企みは回避されたのだった。





何が下らないって、一番あたしがくだらねえ(笑)
ちょっと突発的にsss。本当は当日に書きたかったんですけどねー。他の話題で頭がいっぱいでした(笑)
何故合方が今回は鈴かと言うと、漢字が出てこないからなんですよね、元公主は(笑)。浩瀚は実際にそういう単語があるのですぐ出てくるんですけどねー。
おそまつでした♪

2002年04月05日(金)
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