Life is like a box of chocolates
Jimi Kendrix



 4月の朝

齧ったチョコレートの甘さ
口の中に広がる
おれの中に染み込む
心のずっと底まで
体のずっと奥まで
そんな朝

溜め込んでは吐き出し
ついに吐き出す力もなく
澱み続ける
チョコの甘さを沈殿させよう
僕を齧ってごらんよ
きっと醜悪な甘さが
鼻につくさ


電信柱のクロウ
黒い羽で舞い降りてくる
くぐもった四月の空から

独り言を止めない老人
ぶつかりながら歩いてる
マンションの前で抱き合う二人
名残惜しそうに別れる
自転車で駆け抜ける若者
点滅するライト
誰かが救急車で運ばれてく
憂鬱な顔で駅へと急ぐあのこも
眠そうなコンビニの店員も


この暖かく寒い
4月の朝に包まれて
生きていく

この薄暗く明るい
4月の空に迎えられ
歩いてく

ポールサイモンを
気取ってみたいな
口笛を吹きながらさ


電気屋のモニターには
エンドレスで流れる天気予報
ボニーピンクと残像カフェ
見とれてた
見とれてた
DIVAって何なのだろう
美しいものに憧れる
恋焦がれる




2004年04月16日(金)
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