人恋しくて 一人も好きで
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2006年01月15日(日) 初花香

前々から興味のあった、香道一日体験教室に行って来た。


以前出席したことがある大寄せの茶会では、表千家や裏千家、
武者小路千家や大日本茶道協会などの茶席のほかに、香道席が
設けられていたのだが、いつも香道席は大盛況で、参加したくても
一度も参加することができなかったのだ。


本日のお香のお題は「初花」。
お正月らしく春を待ちわびる和歌とともに、春らしいお香を「聞く」
ことができる。


さて、ここで本日の香席の趣向を。


  霞立ち木の芽も春の雪ふれば 花なき里も花ぞ散りける
                     (古今集 紀貫之)

  ふふめりといひし梅ヶ枝今朝ふりし 淡雪に遭ひて咲きにけむかも
                     (万葉集 大伴宿弥村上)

  山風に解くる氷のひま毎に 打出づる波や春の初花
                     (古今集 源当純)

  わが宿の梅の初花咲きにけり 待つ鶯はなどか来なかぬ
                     (金槐集 源実朝)


最初に3種類のお香を聞く。
お香の名前は上記の和歌にちなんで、それぞれ「霞立ち」「淡雪」
「山風に」と名づけられている。

その後、「出香」といって2種類のお香を聞く。
片方のお香は、前に聞いた3種類のお香のどれかひとつであり、
もう片方のお香は、まだ聞いたことのない未知のお香である。

要するに後から出された二つのお香の名前を当てる趣向なのだ。


隣席から順番にまわってきた香炉をゆっくりと顔に近づけて
香をたっぷりと鼻から吸い込んで香の種類を聞き分けていくのだが
……全然わからない。
似ているようで少し違うし、でも違うようで似ているところもあるし、
などとぐるぐる考え込んでいたら訳がわからなくなってしまった。


和紙に筆で答を書いて提出したものを、先生が読み上げながら
全員の回答を紙に書き出していく。最後に正解が発表されて、
正解者にその回答一覧が書かれた紙がご褒美に渡される、
ということらしい。


ちなみに私はもちろん不正解でした。
でも、よく聞いていると皆結構バラバラな回答を書いているので
正解しなかったからといって、あまりションボリしなくても
いいのかもしれない。


なかなか面白かったのではあるが、やはり正解が出せないと悔しい。
香に対するイマジネーションをふくらませる能力が、私には欠けて
いるのかもしれない。

してみると、源氏物語にあるように、調合された香から相手の
身分や名前を推察できた昔の人はすごかったのね。



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