人恋しくて 一人も好きで
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2001年12月05日(水) 名前

職場の後輩のAちゃんは、来年の3月に結婚式を挙げる。
で、それに先立って、今度の土曜日に寮を出て新居に引っ越すのだそうだ。
「引越し準備、大変でしょ。がんばってね〜」
「もう、すっごく疲れてますよ〜」
などとお喋りしながら一緒に帰った。

帰る道すがら、
「あ、そういえば、旧姓使うときどうしました?」
と聞かれた。
これまでの仕事の実績(論文発表とか)のことなども考えて、
旧姓で仕事を続けたいらしい。

「う〜ん、私のときは課長に『旧姓で仕事しますから、よろしく』と、
言ってゴリ押ししておしまいだったなぁ。今のAちゃんの職場でも
それで通用すると思うけど?」
「それはそうですね」
「ただ、税金とか社会保険とか社員証とかは旧姓が使えなかったね。
 今は少しは旧姓が使える範囲が広がったかもしれないけど」
「う〜ん。社員証で旧姓が使えないのはイタイなぁ」
「それはねぇ、交渉してみないとわからないねぇ」

名前が変わるって、ものすごくめんどくさい。
銀行や保険や免許証やその他モロモロのことについて、変更届を出さないと
いけないし、新しい名前になじむのにも時間がかかる。
なにより20年以上も慣れ親しんできた、自分の名前と訣別しなければ
ならないのは、とてもさびしくて苦痛を感じるものだ。

偽名を使って悪いことをする訳ではないのだから、名乗りたい名前くらい
名乗らせてやれよ、というのが私の意見なのだが、どうも世の中は
そう考えない人のほうが多いらしい。

思っているより不自由な社会に生きているものだ。


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