夜の歩道 - 2008年07月12日(土) 自分のものではない電話機を買うために徹夜の行列に並んだ。 時節柄、雨の心配はしなければならないが、凍死することはまずないのが一安心。どこでも寝られる、というか寝てしまうので、横になる空き地さえ確保できれば後は言うことなし。ノートPCを持っていったので暇つぶしにも困らない。 ただ、へきへきしたのがいわゆるオタク。 何が気にさわるかと言えば、のべつ「語っている」こと。一緒に連れ立って徹夜している友人に語る。携帯電話を持ち出して、夜中に30分おきに実況中継してる。ネタがなくなると取材に行って、先頭のセレモニーの状態とか、列の最後尾の位置とかを中継している。これが気障りで仕方なく、横になれど眠れぬ一夜を表参道で過ごす。 なぜに、彼はああも情報を発信したがるのだろうか? と考えようとしたが、この日記も似たりよったりと気づいて苦笑がもれる。 夜の原宿の歩道は、ひんやりと冷たく、朝方に通勤の人間をローアングルで眺めているのは、いつもと違った光景だった。早退したりずる休みして通勤方向とは逆のホームからいつも利用しているホームを見ている気分で、なんとなく彼らを見ることに罪悪感を覚えてしまう。これに何の感情も持たなくなると、路上生活者になれるのかしら、と考えたりした。 路上に寝そべり、ケヤキ並木を下から見上げると、緑はこんなに美しくなってると気付き、今年初めて蝉の声を聞いた。 ...
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