Sun Set Days
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| 2002年07月05日(金) |
ハンバーガー紀行+『ローマ人の物語2 ローマは一日にして成らず[下]』 |
今日のDaysは新大阪発のぞみ96号の中から。
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Daysの間隔が空いていた間、アメリカに行っていたのだけれど、覚えているのはとにかくハンバーガーを食べ続けていたこと。 仕事で行っていたのだけれど(と言っても日本語ばっかりでいい仕事。英語は苦手だし)、食事のときにはできるだけハンバーガーのお店に入ることにしていた。個人的に、今回のアメリカ行きのテーマに、ハンバーガーチェーン食べ歩きをしようというのを掲げていたのだ(書いていてちょっと情けない感じがするのは気のせいだろうか……)。 と言っても、常にハンバーガーばっかり食べていたわけではないし、ステーキハウスや、地元の古きよきアメリカ的な雰囲気を色濃く残すコーヒーハウスにも行ったり、ホテルの部屋でちょっとした打ち上げ的にチキンやとげとげのついた謎のフルーツなどいろいろ食べたりもしたのだけれど、それでも1日1食は必ずハンバーガーのチェーン店に入ることにしていた。 一緒にいた人は「またハンバーガー食べるの?」とか、しまいには地元のおいしい店を教えてくれるようにすらなったのだけれど(うーん)、個人的には結構(というかかなり)満足している。
僕が訪れたハンバーガーチェーンは次の通り。
・Mcdonald's(ここには2回行った) ・Arby's ・Buger King ・Carl's Jr ・In-n-Out Burger(ここには2回行った)
そして、今日のDaysではちょっとした各店舗の感想を。
まず、Mcdonald'sから。 向こうでの発音はマクダーネルズというような感じらしいのだけれど、いわずとしれた世界の外食チェーン第1位で2万店舗以上ある。あんまりにも店舗が世界中にまたがっているため、一時は物価を計る指標としてビックマック指数というのがあったくらい。もちろんそのビックマックもメニューにある。 日本にないものでは、クリスピーチキンを間に挟んでいるものとか、ヨーグルトのドリンクとか。 僕が頼んだのはチキンのやつだったのだけれど、おいしかった。 ドリンクは(これは向こうではほとんどの店でそうだったのだけれど)空の容器だけを渡されて、店内にあるドリンクバーの機械から勝手に好きな飲み物を入れていくシステム。もちろんお替り自由。 次にArby'sへ。 大きなショッピングセンターのフードコート内に入っていたお店だけれど、味の方は可もなく不可もなくという感じ。それほど店舗網を増やしているわけでもないみたいだし、おいしい! という声も聞かれなかったのだけれど、それにも納得。 やたらとポテトにつけるケチャップをくれて(数えたら5袋も!)、いったいこんなにケチャップをつけることの意義や意味はなんなのだろうとちょっと考えてしまう。 また、アメリカ人はどうやらケチャップが好きみたいで、スーパーマーケットでは緑色のケチャップなんかも販売していた。子供が好んでいるみたいなのだ。緑って……。
Buger Kingは、一度日本に進出し、昨年撤退している。池袋や湘南近辺に数店舗擁していて、一番の売りである大きなハンバーガーのワッパーはおいしかったので残念だったのを覚えている。 そのBuger Kingはアメリカでは業界2位の座をキープしていて、ワッパーはやっぱりおいしかった。でかかったけれど……。 気合を入れて注文しないと食べきれないくらいの大きさで、ハンバーガーキングを自認する僕でも、ちょっとてこずるくらい。味はおいしい。この大きさでは、日本では受け入れられなかったのもある意味納得できたりもする。
Carl's Jrはカリフォルニアに本拠を置く西海岸のみに店舗を構える地元チェーン。 これまでの3チェーンと比べると、効率化よりは味の方に重きをおいているような印象。なぜそう思うのかと言うと、やたらと店員が多いから。パテがおいしいという評判だったのだけれど、確かにとてもおいしかった。僕は食べなかったのだけれど、ほとんどステーキだろうというような肉を挟んでいるものもあるそうで、それがとてもおいしいのだという。 この店では喉が渇いていたのでラージサイズのドリンクにしたのだけれど、渡された容器の大きさにかなり驚く。日本のラージサイズの1.5倍はあろうかという紫色の半透明の巨大な入れ物を渡されてしまったのだ。そして、またもやドリンクバーのようなところでコーラを、しかもちょっと不安になってしまったのでダイエットコーラにしたのだけれど、ボタンを押しても押しても容器がいっぱいにならない……蓋をしてストローをさして手にしてみたら、やたらと重みがあってコーラがたぷんたぷん揺れている。ちょっと引いた……
最後に、今回出会えて本当によかった! と思えたIn-n-Out Burgerを。 ここは、もともとドライブスルーから発達したチェーン店とのことなのだけれど、ここもやはりかなり店員が多い、日本で言うとモスバーガーのような位置づけのチェーン店。しかもこの店はパテひとつとってもアバウトな味ではなくて、どこか繊細な味であるように思えるのだ。ポテトに関しても、その日とったジャガイモから店舗で切って揚げているとのことで、どこか生っぽい味がする。 もう、かなりかなりファンになってしまった。 僕の訪れた店は、ドライブスルー型の店舗で、店内というものは存在しなくて(つまり、小さな建物にちょっとした窓のようなところがあって、そこに直接注文をして持ち帰るか外で食べる)、店外に2つばかりテーブルが置かれているくらいだったのだけれど、車の方がひっきりなしにやってきては離れていった。それだけ地元の人に愛されているということなのだろう。 あんまりにもおいしかったから、翌日にも23時過ぎにまた行ってしまったくらい。あくまで個人的な味覚だけれど、いままで食べたハンバーガーのなかでは一番好きな味。安いし。コンボ(ハンバーガーとポテトとジュース)で日本円にして500円しないくらい。 これはぜひ一度試してみることをオススメします。
でも、思ったのは、これはよく言われることだけれど、ああいう食生活をずっと続けていたらそりゃあ大きくもなるよな、というもの。飲み物なんて前述の通りものすごくたくさんだし、ポテトにつけるケチャップだって基本的には常に過剰だ。過ぎたるは及ばざるが如しみたいな言葉ってないのかなとか思ってしまう。最後の日の朝にはスターバックスに入ったのだけれど、そこでも一番小さいサイズが「トール」だったし。うーん。 また、たいていの日には朝6時くらいに起きて、何人かでDenny'sなどの朝食をとることのできるコーヒーショップに行ってきたのだけれど、そこでも700円くらい出せば、ものすごいボリュームの朝食をとることもできた。パンケーキ2枚に卵、ハムにカリカリのベーコン、ハッシュドポテト、それからコーヒーにジュース。地元のおじさん風の人たちがたくさんいて、そういう雰囲気はよかったりもした。
いずれにしても、世界の超大国であるアメリカの繁栄がハンバーガーによるものだというのは有名な話なので(?)、その秘密を体得しようといろいろと食べ比べてみたのだ。 ほとんど飽きずに食べ続けていたのなんてやっぱりハンバーガーが好きなのだろうなとあらためて思った。
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ここからは部屋に帰ってきてから。
『ローマ人の物語2 ローマは一日にして成らず[下]』読了。塩野七生。新潮文庫。 [上]の続きで、共和制ローマの成立からイタリア半島の統一までの過程が描かれている。今回も[上]と同じように細かい固有名詞にはそれほどこだわらないでよんでいたのだけれど(正直、どんどん時代が進むので、あまりにもたくさんの名前が出てきては消えきりがない)、話の流れとしては、大まかなポイントはつかみながら読むことができていると思う。 これはあまりにも長大なシリーズなのだけれど(ハードカバーでは全10巻で、文庫本は1巻1巻がそれぞれが何巻かにわかれている)、いま読んでいる途中での感想はやはり新鮮だというもの。高校時代は日本史を選択していたので、世界史に関しては中学生レベル+何冊かの読書レベルでとまっているので、そういう部分でかなりおもしろいのだ。 ローマがどのような過程でつくられていったのか、そしてどうなっていくのかというのが、大きなスケールで語られていく。かつての歴史は現在にも通じる何かがあるだろうし、興味深いなと思う。また、後世の歴史家などから見ると本当に不思議なことなのだろうけれど、栄えていく国家なり共同体なりというのは、本当にこれ以上ないというタイミングで組織体に適したリーダーを得るものなのだというのはおもしろく思えた。逆に、そういったリーダーなり人材なりを得られなかった組織は衰退していって。そういうのって、よく言われるように企業とも通じるところがあるのだろうし、なかなか考えさせられてしまう。 いつものように、印象に残ったところを。
兵士ほど、指揮官の能力に敏感なものはいない。無能な指揮官の下では、無意味に命を落とすことになるからである。また、指揮官不在の軍隊は戦力にならないことも、成年に達してから六十歳で予備役も免除になるまでの、長い戦役体験が教えたことだろう。有能な指導者の存在が共同体にとって不可欠であることを、ローマ人は常日頃から理解し、認めていたということである。(53ページ)
人類はしばしば、先見性に富む人物を生んできた。彼には先が見えるから、現在何をなすべきかがよくわかる。しかし、認識しただけならば、先見性をもった知識人、で終わってしまう。見え、理解したことを実行に移すには、権力が必要だ。マキアヴェッリも、「武器をもたない預言者は自滅する」と言っている。トロイの王女カッサンドラは、ギシリア勢によるトロイの滅亡を予見し、それを防ぐための対策をトロイ人に説いたが、誰からも相手にされなかった。ヨーロッパでは今でも、説得さえすれば聞き入れられると信じている人を、「カッサンドラ」と呼ぶ。(92ページ)
ローマ興隆の因を精神的なものに求めなかった、三人の態度である。私自身も以前から、興隆や衰退の要因を感性的なことに求める態度をとっていない。つまり、交流は当事者たちの精神が健全であったからであり、衰退はそれが堕落したからだとする論法に納得できないのだ。 それよりも私は、興隆の因は当事者たちがつくりあげたシステムにあると考える。なぜなら、人間の気分ほど動揺しやすいものはなく、気分を一新してくださいなどと説いても、なかなか全員で一新できるものではない。一新するには、一新せざるをえないようにする、つまりシステム化してしまうしかないと思うからである。(202-203ページ)
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お知らせ
向こうで驚いたことの一つは、コンビニは扉のところに身長を測る目盛りのようなものが刻印されていたこと。 おそらくは泥棒などが逃走するときに身長の見当にするのだろうなと思うのだけれど、そういうのって結構生々しい。
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