Sun Set Days
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2002年05月23日(木) リラックスのためのいくつかのこと

 今日は有楽町でお酒を飲んで、部屋に帰ってきたのは午前0時少し前。いつものようにビール一杯しか飲んでいないのだけれど、空腹だったせいか頭が痛い。
 2杯目に「ウーロン茶」と頼んだら、店のおやじさんが「ウーロン?」と、まるでアルコールを飲まないのかいお前はというような表情で話しかけてきた。
「ウーロン茶で」と、「茶」の部分を強調して答えると、おやじさんは仕方ないなあというように「ハイヨ」と離れていく。
 その後はウーロン茶を少しずつ飲んでいた。
 頭痛い。


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 昨日の休日、夕方に銭湯に行ってきた。
 何だか随分と疲れているような気がして(実際、それは気のせいではないのだけれど)、それで大きなお風呂に入りたかったのだ。
 確か前に散歩にでかけたときに駅の反対側の方に一軒あったのを見かけたことがあると思っていたので、タウンページを見て調べてみる。するとやっぱりちゃんと該当する住所の銭湯があって、そこに行ってみることにする。カバンのなかにタオルなんかを入れて、夕方4時少し過ぎに、まだ下校時の学生たちがたくさんいる駅を通り抜けて銭湯に向かった。
 夕方に銭湯に行くなんて贅沢だと思って嬉しくなる。
 5月の午後4時なんてまだ全然明るくて気持ちがいい。

 記憶をたどってたどりついた銭湯は、よく言えばレトロ、客観的に言えばかなり古びたところで、逆にそれが興味をそそる。
 靴を入れる下駄箱が左右に並んでいて、向かって右手が女湯で左手が男湯。
 木の板が鍵になっているその下駄箱に靴を入れ、男湯の引き戸を横に引く。
 番台にはおばさんが座っていて、小さなテレビで国会中継を見ていた。それもまたお約束な感じがしてなんとなくおかしくなってしまう。
 大人は400円。

 本当に思っていた以上に古びた歴史を感じさせる銭湯で、あまりにも一般的な古い銭湯というイメージに近くておかしいくらい。
 壁の高いところに開店記念に取り付けたらしい柱時計がかかっていたのだけれど、それがまた随分と歴史を感じさせる代物で、開店したのってたぶん僕が生まれるより前だったのだろうなとか思えてしまう。
 脱衣所には衣服用のロッカーがまたあって、最近よくあるスーパー銭湯なら腕時計のようなものを腕にまいてロッカーの鍵をつけるのが主流なのだろうけれど、この銭湯では簡素なゴムに鍵がぶらさがっているだけだった。
 おじいさんが2人入っているだけの銭湯。
 その2人も途中で上がっていってしまった。

 小さな体育館といった風情で、時間が時間のせいかやけに明るい。
 湯船は2つあって、1つは普通で、もう1つが泡風呂。
「備長炭を使用しています」という手書きの紙が張られている。
 壁の絵は富士山ではなくて、ただ随分とひび割れていた。

 随分とのんびり入っていた。
 足を伸ばして。
 ふうー、とか思いながら。
 ここ最近は自分でも実感してしまうくらい疲れていたので、そういう意味でのんびりとすることができた。
 たまに大きなお風呂に入るのは気持ちがいいなと当たり前のことを当たり前に思った。
 当たり前のことを当たり前に感じたり思えたりするようなことが、余裕がなくなってくるときには難しいんだよなあと思ったりもしながら。
 泡風呂のほうは思いがけず深くて、底を確かめながら入る。
 誰もいなくて、歌でもうたいたくなる(うたわないけど)。

 お風呂をあがって服をちゃんと着る。そして実は入る前から気になっていた明治乳業の自動販売機でコーヒー牛乳を買う。
 100円。
 腰に手を当てたりはしなかったけれど、昔ながらの銭湯でお風呂上りにコーヒー牛乳なんて、ある種の様式美だ。
 ワールドカップで日本を訪れるだろう多くの外国人たちにも、ぜひ経験してもらいたいくらい。
 久しぶりに飲むコーヒー牛乳は想像していたよりもずっと甘ったるかった。

 出るときに番台を見上げるようにして「何時までやっているんですか?」とおばさんに訊ねる。
「十時半までだよ」と言われる。
 今度は夜にでも、また来てみようかなと思った。

 その後で、せっかくなので駅裏の方を散歩する。
 そして理髪店を見つけたので、せっかくなので髪も切ってしまうことにする。
 これから暑くなってくるので短めで、また幼くなってしまうことはまあ横においておいて。
 髪を切った後でそれからさらに散歩を続けたのだけれど、散歩の効用についてもやっぱり考えてしまった。
 そんなにたいしたことではなくて、いろんな道路をただ歩くこと。
 崩れかけてしまったリズムを回復するためには、そういうことも必要なんじゃないかと、そう思った。


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 お知らせ

 今度のお風呂あがりには、牛乳を飲んでみたいものです。


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