創造と想像のマニア
日記というよりもコラムかも…

2005年03月11日(金) 「断鎖」を読みたい。

「恋刃」は「断鎖」とリンクしている部分が多い。シリーズものだから当たり前なんだけれど、本当に「断鎖」で起きた事の続きというか、それから発展していく事、あの人は今! という感じの展開が沢山描かれている。「断鎖」だけではないのですが、特に「断鎖」の事件を思い出すのです。亮司が沢山出てくるからなのかな(笑)
前にも書いたと思うけれど、この話の面白い所は主人公が毎回違う事。感情移入しにくいかもしれないが、1人の人の物語というか、人生を見ているわけではないので、1人に肩入れする事があまりないから、純粋に物語を追っていける所がいいんです。結構私は主人公はこの人! という話の方が好きではあるんですよね。だから「鉱物シリーズ」の方が好きだったけれど「断鎖」が去年文庫化になって、久し振りに再読し、この物語の面白さというのを本当に知った気がしたのです。そして、今年「恋刃」がやっと出版され、今読んでいる所ですが、更に面白さを感じている所です。面白さという言葉では済まされない事ばかり起きるし、平和ボケしている国に住んでいるから共感出来る部分なんてほんのひとにぎりしかないけれど、知らないからこそ知っておかなければいけないとも感じるし、知らない部分を恥ずかしいと感じる時もある。そして、今の生活がとても幸せなのだという事も……
所詮は小説だ。
この言葉で済ましてしまう人もいるかもしれない。確かにこの物語は小説で、架空のものだし、フィクションだ。でも、この物語の中には現実の事も沢山描かれているような気がします。実際に「鉱物シリーズ」で書かれた事が今ニュースになっている事もある。「そんなのあるかい!」という組織というか、グループの事だって、現実にそういう団体があって、苦しんでいる人が沢山いる事も知った。
出版された当時はニュースになっていなくて、表ざたになっていなかった事だったから「現実とはかけはなれている」ととられる事が多かったのだろうし、私もそこまで重くは捉えていなかったと思う。でも、その時からこの人の小説を読んだ後は色んな事を考えたし、小さなことだと思っていたものにして感謝する気持ちも芽生えた。そして、実際にある事で、今現実にも起こっている事である事を知った今は初読の時よりも読了してからは色々考えてしまうし、重い気持ちになってしまう。なのに、中毒者のように、この人の物語を何度も何度も読みたいと思ってしまう。
なんなんだろうこの気持ち。
上手く言葉に出来ないけれど、私は五條瑛の小説がとても好きだし、読んでいつもショックを受けつつも、いかに自分が無知なのかを感じるのです。


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未森

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