表紙に惹かれて手に取って買った本です。すぐに読みたくなり、読もうと思っている本が沢山あるというのに、即効で読み、嵌りつつあります。 かなりマイナスオーラをかもし出していてる主人公がどう生きていくのか、自分の運命を見つけていくのか… という青春小説で、私の大好きな本が沢山出てくる。色んな本のタイトルや話が織り込まれているのではなく、古本1000冊以上貰い、読む事をせずに本が入ったダンボールで家具を作り(ベッドや机にしていた)、失望し、有り金を全部使い果たし、働こうともせずにお金がなくなった後は本を読んで、読了した本は古本屋に売って生活をする… という本当にマイナスな主人公なのですが、イライラする事もなく「次は何をするのだろう。どう生きていくのだろう」と興味津々で読み進められるのがいい。この手の話は面白いと思うか、イライラして本を投げたくなるかどちらかだし、イライラする可能性の方が高いのに、イライラしないのでちょっとこの人の作品を読破したくなってきた。 訳者さんもいいのだろう。この人ならではの言葉の使い方にはなっているのかもしれないけれど、おかしな自己主張をしていない。「俺が訳しているんだ」というアピールがないので安心して読める。 元々翻訳ものは得意ではないのですが、ここ数年で色々読むようになっていたけれど、自己主張の激しい訳を読んで以来また「うーん」と思うようになったりして、最近は日本の作家さんのコーナーしか行く事がなかったが、この本のおかげでまた海外の物語もいいなぁ… と思い始め、狭くなりつつあった視野が広がって行く気がしています。 「ムーン・パレス」は新潮社から出版され、あと4冊新潮社から出版されているのですが、全て同じ訳者さんなので躊躇いはないけれど、別の出版社からこの5冊以外の本が出版されており、残念ながら訳者さんが違うので3部作の内の2作が別の出版社からなので、もし読みたいと思って買ったとしても別の訳だとしっくりこないかもしれない。3部作だと言われている作品なら全部同じ出版社で同じ人に訳して貰いたいなぁ。などとまだ「ムーン・パレス」を読了していないのに、パソをつけている時にどんな本が出ているのか調べたりしているアホな私がいます(笑) 部屋でも読んでいるのですが、浴槽の中で読む方が集中出来るから毎日1時間というペースで読んでいます。つい部屋にいると音楽をかけたりDVDを見たりと音を求めてしまうんですよね。音があると集中して読めなくなってしまうのが難です。でも、外で本を読む時に耳に入る音や声などは気にならないのは何故だろう。部屋にいると神経質になっているのかもしれない。
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