明後日、厳密にいうと明日。 いよいよ、この狭いお城とさようならをする。
ここは一人暮らしを始めた場所で、 初めて自分だけの経済力で生き始めた場所で、
生まれてから今までここまで、 長く住みついて部屋はなくて、
仕事で疲れきっていた私のことも、 失恋で自棄になった私のことも、 なにもかもを飲み込んでいて、
今はあんなに優しいダンナが、 針葉樹みたいだった頃も知っていて、
狭くて汚くてイライラすることも多かったけど、 ここを離れるのはやっぱり寂しい。
7年半もの長い長い間、 私を守ってくれてどうもありがとう。
どうか次に迎え入れる人間が、 あなたの良さを分かってくれる人でありますように。
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