「アイツの生き方は間違ってる」
そう思う人ってたまにいる。
世間でいう「いい歳」の男が無職だったり、 援助交際を繰り返す若い女性だったり、 我が子にしつけという名の虐待を加える母親だったり。
どれもこれも、眉をひそめてしまう。
でも、きっとそれは少数派だからだ。 そして、生活している環境が彼らに合わないからだ。
サラリーマンにむいていない無職の男は、漁村に生まれていれば凄腕の猟師になっていたかもしれない。 貧しい国の少女達は、売春を日常的に行う。 一昔前には、親が厳しいほど良い子どもに育つと思われていた。
「今の環境にそぐわないだけで、人間的にはなんら間違ってないんじゃないの?」
……って、誰かに言われたら、きっと私は何も言い返せない。
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