大きな望みの一つに、「ダンナよりも先に死にたい」というものがある。
私は自他ともに認める打たれ弱い人間。 伴侶が亡くなる悲しみに耐えらない自信があるのだ。
ダンナよりも先に死ぬということは、彼に対して遺言を残さなくてはいけない。
何にしようか眠れない夜に考える。
好きな人を作らないでっていうのも可哀想な気もするし、私のことを忘れないでねっていうのも当たり前すぎる。
そこで、一つ思いついた。
「私の代わりだと思って、ネコを飼ってちょうだい」
よし、これにしよう。
我が家にはすでに愛猫がいるが、彼女がまだ生きていれば彼女で良い。 いなかったら別のネコを飼ってもらおう。
ネコ好きの彼は快く承諾するだろう。 そして、存分に可愛がるだろう。 新しく妻を迎えたとしても、彼女よりもネコを愛するだろう。
なんせ、今がそうだからね。
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