☆★☆ たぬきの嫁 ☆★☆
この日は、雨が降っていた。
あたしは、雨に弱い。
とても寂しい気持ちになる。
泣きそうになる。
最近は、泣く事はあんまりなかったけど、
相方サンに逢えない日々が続いてたからか
この日は、涙が止まらなかった。
相方サンが仕事で疲れているのは、わかってた。
日曜日に相方サンと会えないことも、わかってた。
「逢いたい」って言っても来てくれないって、わかってた。
ソレを言ってはいけないってことも、わかってた。
電話もしてはいけなかったのかもしれない。
だけど、電話をしてしまった。
最初に、メールで疲れてるかを聞いた。
疲れているって返信がきた。
電話をしないつもりだった。
だけど、涙が止まらなく壊れてしまいそうだった自分。
どうしようもなくなって、電話をしてしまった。
泣いててコトバにならない。
一生懸命だしたコトバたち・・・。
「雨が降ってて、寂しかったの。」
「・・・・逢いたいよ。」
勇気をだして、言ったコトバに対してのコトバは
予想した通りのコトバだった。
「ごめん。 逢えないよ。」
わかってはいた。
だけど、やっぱり辛かった。
理由は、疲れているから。
今までの中で、もっとも辛い1週間だったことは知っていた。
だから、逢えない事も予想できていた。
あたしは、「うん。 わかってる。」としか言えなかった。
泣くのを必死に止め「もう大丈夫」と言って笑った。
疲れている相方サンは、一生懸命話をしてくれようとしたのかもしれない。
だけど、あたしの耳には届いていなかったかもしれない。
涙は止まっても、体中に寂しさが残っていたから。
あたしは、落ち着いたように見せて、相方サンとの電話を切った。
あたしは、違う人に助けを求めていた。
安らぎを求めて。
|