☆★☆ たぬきの嫁 ☆★☆
2002年03月18日(月) |
『ギュッ』ってして『チュッ』ってして。 |
日曜日は、短い時間のデートだった・・・・。
少し切ない・・・・・。
手を繋いで歩いた。
あたしは、たまに握りなおす。
ちょっと力をこめる。
「ギュッ」って握る。
あなたも、気づいてるのか気づいてないのかわからないけど
力をこめて握り返してくる。
何も言わずに・・・・。
そのたびに、胸が締め付けられる・・・・。
切なくて・・・・。
もうスグ別れの時間がくることを知っているから・・・・。
離さなくてはいけない手・・・・。
離れたくない・・・・。
このまま繋いでいたい。
繋がっていたい。
力がこめられるたびに、涙が流れそうになる。
うっすら目にたまる涙・・・・。
慣れないマスカラが、にじみそうになる・・・・。
デパートの6階・・・・。
エスカレーターで下る帰り道・・・・。
ふと、意味のない5階で降りる・・・・。
あなたは不思議そうにあたしを見る・・・・。
あたしはあなたを見つめて言った・・・・。
「エレベータ―」を指して・・・・。
うつむいたまま・・・・。
恥ずかしくて、あなたの顔が見れなかった・・・・。
『ギュッ』ってして『チュッ』ってして・・・。
あなたは何も言わないで、少しはにかんだまま
あたしの手をひっぱって、エレベーターまで連れてった。
そのままエレベーターにならんだ。
運がよく、誰も乗ってなかった。
ドアが閉まると
あなたは力いっぱい抱きしめてくれた。
そして優しくキスしてくれた。
また涙がでそうになった・・・・。
我慢した・・・・。
「あっ」っというまに2階になって、人が入ってきた。
ちょっと気まずい雰囲気・・・。
1階についたから、降りた。
涙がわからないように、こっそりぬぐった。
デパートの近くの公園でベンチに座って少し話した。
時間が流れていった。
あたしが、何かを話そうとしたときに
あなたが、手を目の前にだした。
手には『手紙』が握られていた。
涙が流れた。
止められなかった。
『手紙』が目の前に現れた瞬間に、こみ上げてきた。
下を向いた。
手紙をカバンに入れながら、こっそりティッシュをだして拭こうとした。
でも、バレちゃって顔を見られた。
慌てて鏡をみたら、マスカラのせいでパンダになってた。
恥ずかしい・・・・。
慣れないことはするもんじゃない・・・・。
泣き虫なあたしには「マスカラ」はダメだね・・・・。
お礼と嬉しさを伝えた。
ホントに嬉しかった。
帰りの時間・・・・。
駅のホーム・・・・。
あなたの電車にのって、時間がくるまで隣に座る。
ギリギリまで座ってた。
ギリギリに立ち上がって、手を振った時。
あなたには見えたのかな?
あたしの目に涙が溜まってたのが・・・・。
見えてないといいな・・・・。
電車が離れていくのを見送った。
それから、自分の電車にのって家に帰る。
手のぬくもり・・・・。
手の感触・・・・。
忘れたくない・・・・。
家に帰った・・・・。
部屋は寒かった・・・・。
でも、そんなに感じなかった・・・・。
『手紙』があったから・・・・。
こっそり読んだ・・・・。
そして、泣いた・・・・。
ボロボロと、泣いた・・・・。
|