日々、ポケットへつめこんでおいたこと。
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2005年02月23日(水) スローライフおじいさん

スローライフとよく耳にしますが、あまり意味がわかっていないので勝手にイメージで解釈していました。

忙しすぎる現代の社会から離れ、ゆっくり、自分たちの力で、ていねいに暮らすこと?

環境gooによると、『効率やスピードが優先される現代社会。「より速く、より快適に」と、経済的な豊かさや効率的で快適な生活を追い求めてきたことが環境問題の一因にもなっている。時間に追われるのではなく、自然と調和してゆったり生きるライフスタイルの重要性が、エコロジストなどによって提唱され、1980年代のイタリアでおこった「スローフード運動」などを背景に「スロー」という言葉が新しい価値として登場。』とあります。

ふむー。まぁまぁ当たっていますよね、わたし。日々忙しく働かなくては生き抜けないわたしたちは、そういうの、たしかに憧れると思います。

だけど、さぁスローライフを始めようと言って、自然豊かな田舎なんかに移り住んだとしても、現代の生活にすっかり甘えてしまっているわたしたちには、難しいのではないかなぁという気がしてなりません。

まず、今があまりにも便利なものに囲まれすぎているし、街が蛍光マジックみたいな輝きで光り続けるから。なくなったら、不安。

だから、本当にゆっくりていねいに暮らすというのは、覚悟がいるだけではなく、それ相当の、知恵と力と人柄がいると思うのです。

銭金を見ていたら、富良野で暮らす、見事なまでのスローライフのおじいさんが紹介されていました。
このおじいさん、家をイチから自分で作ったというのです。しかもかかった費用は、1万円弱!材料は、殆どが知り合いや友人から譲ってもらったものなのだそうです。確かに扉や窓がちぐはぐなのですが、でもそれがなかなか楽しい雰囲気。
大工さんでもないのに、自分の力とアイデアだけで、見事に快適で楽しい家を作り上げてしまったのです。

家具や食器棚などの家にあるものも、殆どが譲っていただいたもの。電気、水、ガスはひいておらず、電気は小さなランプや、暖炉の火で、水は雨水や豊富な雪で、ガスは薪で、という具合にすべてを回りにある最低限のものでまかなっているのだそうです。
他にも、夏用の涼しい寝室、冬用の暖かなロフトの上の寝室、石をひとつひとつ積み上げて作ったお風呂場と五右衛門風呂、暖炉部屋、夏用の外の調理場では小鳥やリスと一緒に食事、冬の間に作っておく氷室は8月末まで持つと言うし、薪小屋の屋根をちょっとだけ工夫してゲレンデにし、スキーを楽しんだり…と、それはもう、見ていてわくわくするほど!リポーターのくりぃむしちゅー上田氏も、目が輝いちゃってました、うんちく言ってる彼の顔とは真反対のキラキラっぷり、おかしかったー。

決してひとりで勝手気ままに暮らしているわけではなく、まわりの人々と助け合いながらこそできる生活、そしてまたこのひとは、とても頭がよく力強いひとだと感じました。本来の自由の喜びを心で知っているひと。

このひとの暮らしこそ、本当のスローライフなのでは?ここまでできるひとは、なかなかいないと思いますが…。

現代社会で甘えているとバカになるなぁ。麻痺していくのね。

嘘くさいスローライフも蔓延している気がします。
雰囲気だけ、とか。なんでもとやかくナチュラルにとか言って、素敵ぶる様々な雑誌類。
ku;nelに載っている田舎や外国の人々が、とても魅力的に見えるのは本物だからでしょう。だからku;nelオッケー。

でもわたしはスローライフしたいとは言えません。ばかだし寂しいから、ひとりで生きていく自信すらないのだよ。忙しく働いて、ちょびっとでもお給料を稼がなきゃ生き延びれない現代人です。
デパートも大好きだ、お化粧もしたい、可愛くいたい、愛されたい、や、愛は金じゃー買えないが。むむむ難しいな。余分なものがないと不安なんです。書き出したら矛盾だらけでまとまりなくなってくるなぁ。もうやめよ。

まぁね、わたしはね、現代社会でいかにていねいに正直に生きるか、こっちの方が、今のわたしには大切だと思うのです。
それができなきゃ、スローライフを送れるような、真の優しいひとになんてなれないね。

あ、今ちょっとわかった!現代人が失ってんのは優しさだ!自分勝手なんだなぁ。


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