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- 諸行無常 -

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2004年11月07日(日) 苦言

久し振りに小○さんが仕事場にきた。

彼は元ニューオータニの料理長を務めた人。

『料理はセンス』と言った人。

彼が当地で店を閉め、軽井沢に移り住み、「音羽の森」で少し働いた後に

出資者が募りこの夏から軽井沢で再出発を始めた。

一軒家の完全予約制のフレンチ様式。

彼の料理は俺が今まで食べてきたものの中で最も美味しいと思える。(レストランの料理として)

彼は職人である。

職人気質にラテン体質が加算されたような人。

女で身を滅ぼす事も多々。

彼が商売をする時に俺に相談が来る。

メニューを考えたり、内装を考えたり、戦略を考えたりする時にも声を掛けてくれる。

軽井沢の店舗を営むに当たっては同音羽の森のソムリエを引き抜き経営戦略を若い彼の手に委ねた。

俺は以前ここでも話した事が有るが異論を唱えた一人。

経験が生む様々にソムリエと言う肩書きだけでは戦略を練るには難しいのでは無いかと彼にも話した事が有るが

彼はかたくなな職人気質。

自分がこうと決めた事を曲げる事が無い。

ただし必ず後で泣きっ面に蜂を見る。

今回色んな相談を昼飯を食いながら受けた。

俺に経営戦略の担当として店ごと軽井沢に来ないかと言う物だった。

俺は過去に軽井沢で商売をした事が有り、それを最後に物売りとしての軽井沢進出は考える事が無かった。

彼にはマネージメントをする人間が必要と、彼を知る誰もが口を揃えて言う。

俺は彼が当地に住んで店を営んでいた時にも彼のメニュー作りやイベントにも口を挟ませてもらったり

系列店舗のようなパートナーシップを結んでランチのみのスタンプラリーを試したり割引を試したりした。

今彼が悩んでいる事、それは経営のボーダーラインで有る採算。

俺は彼が再出発するまでの間、何度もマスで商売したらどうですか?と提言して来た。

勿論異業種の俺が口出しするべき部分では無いし、彼の中にはプライドが大きく鎮座している。

ゆえに、マスで商売する事は困難と彼は判断したのだろう。

昨今の軽井沢で年間1億ベースを叩く店舗は皆、量販的パスタ店など、マスをターゲットにした物だ。

観光料金が通じ、尚かつ、都内戦略が可能な日本でも類希な土地軽井沢にとって

マス=金山とおれは考える。

彼の口から出た今日の言葉はマスに手を入れたいと言う物だった。

高級層を顧客に持ちたい最高のサービスを提供したいその気持ちも俺は理解出来るのだが

高級を与えるには高級を備えなければならないし、オフを乗りきる為の余力も必要で有る事は誰もが想像する事。

つまり高級を根強く着ける為にはそれなりの時間が必要と言う事だ。

我慢の時間が長くて初めてその先の利益を得る事が出来ると言う物。

これは俺も当地の洋服分化実際体験して見てそう感じた事。

彼にはマネージメントの出来る人が必要。

彼を上手く口頭で持ち上げられる上手な戦略家が。

彼に苦言を呈し続けて来たけれど、最近は自分の事でも精一杯と言う事もあって

彼にはお客さんを紹介する以外口を挟まなくなった。

彼はおれに何を求めてるのだろう。

彼は御年40後半になる。

いよいよ節目時か。

乞う復活躍進。


toto