++ diary ++

- 諸行無常 -

日記の表紙に戻る過去の日記新しい日記


2004年05月09日(日) 職人魂

例によって深夜のNHKを見ていると

そこには岐阜県のとある職人気質を守りぬいているギター工場のドキュメンタリーがやっていた。

大量生産を海外に求める事も無く、自身の工場で手工業だけで守り抜いて来た結果が世界中の多くのミュージシャンや

かのポールマッカトニーまでもが世界ライブツアーに持ち歩いた程だという。

その会社が『一期一会』なる沖縄の三線とギターの長所を併せ持った

4弦の小型の楽器を生み出した。

BEGIN(ミュージシャン)の手伝いも甲斐有って、10万円するこの楽器も生産が間に合わないほどだと言う。

そしてこの春、更に新しい試みで『にらい』と言う「一期一会」を更に安価にして

手の届き安い価格、そして経済的な理由や家族的な理由で、音楽を諦めた人に

再度触れてもらえるようにと、触れ易い価格で生み出したのだそうだ。

これも今店頭に5万円ほどで並んでいると言う。

そこに行きつくまでには、手工業でここまでやってきた職人気質が邪魔をして

なかなか大量生産レベルには出来ない高度な物を求めてしまった。

結果的に地元の小さな企業に生産工程を預ける事で

妥協の元に生まれた、ひとつの過渡期が因して生まれた新しい楽器。

これを見ていておれも弾いて見たいと思ったほど魅力的だった。

ただ見ていて素人のおれでも粗野感は目に余り

商品のクオリティその物には魅力を感じなかった。

でも、木は生き物。

どんなものにでも木は息吹を感じさせる物が有る。

おれは木の伐採の反対運動に加盟した事が有るほど

木に対しては敏感。

木には精霊が宿っていると今でも思っている。

長く使ってやる事で 楽器であれ、テーブルであれ、タンスであれ

なんでも味を見せてくれる。

だからこそ合板は避けてでもいい木製品が欲しい。

職人が世に放つ『いいものをつくっていれば認められる』と言う時代は

終焉を迎えているのかも知れない。

景気回復に一日も早い進歩を願うばかりである。


toto