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2003年08月31日(日) 要部分流通改革

面白い事にバブル期に向かい成長したカテゴリーに衣料品の

ブランド攻勢がある。

当時日本国内に於いてブランド認識は薄く70年代後半からの国内にはアイビーたる物が席巻し

どこもかしこもが同じ風潮を抱いていた。

やがて大型の箱ディスコなどが景気の急上昇と共に現れ、バブル経済と呼ばれる頃

日本は国内ブランドの宝庫となった。

コシノ3兄弟に始まり、パーソンズのトレーナー、パッゾのスタジャン、ニコルのスーツ、ビギ、ミルク、カンサイ、コムサ・デ・モード、ワイズ、イッセイ・ミヤケなどのロゴ物など

今聞けば懐かしくも有り恥しさもある物ばかりがこの当時産声と共に育って行った。

中でも未だに長生きを続けているブランドの中のひとつコムサ等は当時

ユニセックスなシルエットとモノトーンで売っていた。

男性用のスカート、Tシャツの価格が1万円に達したのもこの頃だ。

元々当時既に海外で成功していたコム・デ・ギャルソンやヨージ・ヤマモトの猿真似として始めた物が大当たりしていた。

まさにファッションが堅いアイビーやトラッドだけの世界から一人歩きし

個性を生み出すきっかけを作ったとも言える時代の一幕を担っていた。

俺自身もイッセイのタンクトップ一枚に6000円を払い パンツ一着に39000円を

惜しみなく出していた。

沢山のデザイナーズ・キャラクター 所謂DCと マンションを拠点に発信する

マンションメーカーと言われる物が多く介在したのもこの頃。

そして当時の仕入の掛け率は平均して60%〜70%だった。

つまり問屋として機能するはずの物が無い分、メーカーの価格設定は単純に

工場の金額に対し正当利益を加えた物になるわけだ。

イタリアはどうだろう。

イタリアは知るところでは掛け率が非常に安い事が有る。

一つの物売りと言う業種で食っていけるそれなりの粗利を持つ事のできる範囲で

設定されている事が多い。

日本はこのバブル期に半ば当たり前に標準設定された掛け率を

様々な業種で改革する必要がある様にも思える。

むしろ作り手を敬う商品を扱う物にはそれなりの価値を、

そして工場は安い物を選択出来る背景に中国、韓国、台湾、ベトナムなど

低賃金での生産能力を持つなど、様々な企業努力が求められるだろう。

いまや国内工場品は高価で安全というひとつの品質を手に入れたとも言える。

物を消費する事が人々の暮らしの中に浸透して行きそれが又新たな

税収や景気を生む物だとすればもっともっと色んな業界が

手を取り足を取り、切磋琢磨せねばならないような気がする。

天下のNTTドコモも長らくの城下町見物からやや退き始めている様にも感じる。

それは公社からの民営化による安心を武器にした殿様商売で有ったが

他社の価格破壊には追随を甘んじている部分がある。

取れる時に取り、落城間近に城を出て、同じ城下で商いをすると言う

完全なる国の作ったブランドを掲げての殿様商売が想像できる。

例えば IP電話などが有名なアメリカ式ブロードバンドヤフーBBの介入によって

NTT、KDDIを始め、他の異業種も交え、それぞれが他社との差別化に慌てている。

この様な状況が恐らく他の業種でも出てくるに違い無い。

ただし、その時 我々は知識が増え 消費者として

正しい審美眼と選択眼を身に付けているに違いない。

その時の世の中の流通に変化が有る事を今から楽しみにしている。

かつ早くその様な日が来ることを望む。




toto