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2001年11月29日(木)
『死者からの手紙』

 ワタクシ、ほとんどドラマは観ないのですが(ほんとは好きなんだけど、なんか暇がなくて・・・)、今週NHKでやっていた、「ハイビジョンサスペンス」は4日間けっこう真剣に観てしまいました。一日一話で、前編と後編に分かれているのですが、実は、後編だけ見れば、意味だけは通じちゃうって、ちょっと「おや、おや」ではありましたが、どのドラマもそれなりに力が入っていて、おもしろかったです。

 個人的には、一日目の『凍える牙』が一番おもしろかったかな〜。最後、犯人を追い詰めたのは「動物の勘」ってのは「ちょっとそりゃないんじゃないの?」でしたが、犯人がなかなか意外な人で、けっこうミステリーしていておもしろかったです。

 二日目の『コウノトリなぜ紅い』も、おもしろかったです。サスペンスといえば、一番恐かったかも。ミステリーとしてもよく出来てるドラマって感じです。ただ、原作が、海外のもの、って事で、雰囲気がなんとなく日本じゃないな〜って気がして、微妙に違和感がありました。

 三日目の『茉莉子』。これは、ドラマとしてとてもおもしろかったです。でも、ちょっとサスペンスってのとは違うかな〜って感じ。隠されている秘密を暴く、という点ではミステリーなんでしょうけど。どちらかというと、「感動ドラマ」でした。

 で、四日目の『死者からの手紙』。題名からして、「サスペンス」って感じで、とっても期待感があったのですが、これはワタクシ、ちょ〜っと不満。もうちょっとサスペンスフルで、ドキドキするお話に出来たんじゃないのかな〜。

【ここからかなりネタバレです〜】
 原作はエミール・ゾラの「テレーズ・ラカン」って事で、例によってワタクシ原作は読んでおりませんので、原作ではどういう話なのかはわかりませんです。
 風吹ジュン演じるヒロインがなかなか謎めいていて、その夫(國村隼)も、姑もなんだか恐ろしげだし、夫の部下(小倉久寛)は、妙に愛想が良いけど、いい人なんだか悪いヤツなんだかわかんなくて、なんとも不気味で、出だしはとっても「サスペンス〜な感じ」なのですが、しかし、あのラストはね・・・。
 だって、ヒロインは復讐するために好きでもない男と結婚して、その夫と姑の嫌がらせに5年も我慢したって言うのに、結局どう復讐するつもりだったんだか・・・?自分が結婚する前に、夫が結婚していた相手が明らかに不審な死に方をしていて、そこにわざわざ嫁に入って、しかも夫と姑は嫌がらせ。それに5年も我慢したって事は、ものすごく強靭な精神でもって復讐をしようと思っていただろうと思えるのに、店(主人公は輸入家具店の店長)に、お買い物に来た弁護士(村上弘明)に恋をしたら、何もかもどうでも良くなっちゃう、なんて、納得いかない〜。
 すべて、このヒロインの復讐の一環で、計画だった、この女の計画のせいで、周りのすべての男が破滅する(実際、結局すべての男は破滅するんだが)「ああ、かかわらなきゃ良かったのに〜、恐ろしい女だ〜〜〜」ってんじゃないと、サスペンス、全然、盛り上がりませんです。風吹ジュン、中途半端に「いい人」これじゃあ、ダメよ。


 と、言うわけで、今週はなかなかドラマな週だったのでした。

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