Saturday in the park - 2004年08月28日(土) 秋の宮から小安峡に抜ける道に入った。 行けども行けども登りの坂道が続き、 気が付くと大きな太陽が目の前に現れた。 眼下の山間の奥にある街は霞むほどに遠く、 青空を悠然と駆け抜ける雲は手を伸ばすと 今にも届きそうな、そんな場所に僕らはいた。 雲と視線を並べるここを天国とするならば、 下りた先は草木も除する硫黄に彩られた地獄。 吹き出す高温の硫化水素に眩暈がした。 瓦礫を踏みしめて少し歩くも、三途の川の渡河は またの機会に持ち越し、大噴湯を経由して街へ出た。 今年の大曲は前回の悲惨な土砂降りが まるで嘘のような好天に恵まれ、 70万人の人出を記録した。 普通の花火大会ならメインにもなろう尺玉が 惜しげもなく幾重にも重ねて打ち上げられ、 狭い夜空を舞台に各々の芸術を競い合う。 この大会こそが夏の締めくくりである所以を 今年はしかと堪能させてもらった。 帰路。駅舎から溢れかえる人混みを眺めながら街を出る。 うねる山を越え、深い隧道を抜け、雨の中をひた走る。 慣れ親しんだ枕に辿り着くや否や深い眠りに落ち、 短い夏に別れを告げた。 BGM : 『Night At The Village Vanguard』 / Sonny Rollins 【更新】セシル7点追加。
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