みのり伝説 - 2003年02月28日(金) 古本屋巡りに付き合った折、ふと懐かしい漫画を手に取った。 中学の後半から高校にかけて読んでいたものである。 主人公は28歳の女性で職業はフリーライター。独身。 その友人、要するに同年代の女性なわけだが、直前に控えていた 結婚を急遽取りやめ、その理由を元婚約者に向かって告げる。 「私は結婚しても仕事を続けることを許可してほしかったわけじゃない。 仕事をしている私を好きになってほしかったんです。」 概ねこんな内容である。 つまり、だ。 あのとき僕が しかったのもそういうことなのだ。 うまく言葉にできない自分がもどかしかった。 昔の身の上話をしているときの自分は醜いと思う。 昏く荒んだ時代の、自己顕示欲にまみれた自分を 晒すことは嫌悪感をさらに増長させることとなる。 しかし、その根本が打ち消されぬ限り、 話は尽きることはないのだろう。 キミはいつになったら僕を拒絶するだろうか。 常にそんな畏れを抱きながらも、僕は止まらない。 「ねぇ、自分ってなに?」 極めて平易で、僕を揺るがすには十分すぎる問い。 ここにいるたった2人を満足させる答えがあれば それで救われるはずなのに、それすら見つからない。 たどりつくにはまだ遠い。 小さな宇宙の狭間でディンブラが優しく薫る。
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