ちいはんの衣装室。
心の奥に眠るホントの気持ち

2018年04月28日(土) 思い出す、匂い

匂いって記憶の引き出しが凄いと思う。

普段なら完全に忘れてる引き出しをすっと開けてくれる。


春の夜風。
今日みたいな柔らかい風の奥にある匂いを感じると
いつも、上京したあの頃を思い出す。

初めての土地
初めての空気
初めての匂いの中での
小説や漫画では描かれないほどの些細な出来事


特別何かあったわけではないけど
今思えば、
あの頃の毎日が「特別」だったんだなと気付く。


夜に友達と公園で話したこと
それがなんとなく大人な感じがして少しくすぐったかったこと
全てがキラキラしていて
そんな当たり前の事が当たり前じゃなかった。

何もない毎日と思っていた1ページが
30代になるともう同じように感じる事が難しくなるほどに
10代後半、20代前半だからこその
特別な「時間」だった事に気付く。


忘れただけで無くしてはいない
ただ、昔に比べて引き出しに入るものが違う

昔の思い出に嫉妬してしまう時すらある

でもそれが「青春」っていう特別な時間なんだろうなぁ。

その時間を思い出し
懐かしみ
また、今の自分があることを知る


何もないなぁとか
思っていたけど
自分もそれなりに青春のページを刻んでたんだなと。


また数十年後
今の自分を懐かしむ自分がいるのかな。
いるんだろうな。
15からやってるこれを見返してそう思うんだもんな。


記憶に包まれて過ごす春の夜、
私は好きです。


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