『スウィート・バイエル』
モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
あわただしい日々の中、 ふと開いたSNSのTOPページに、大きな『Happy Birthday』の文字。 あれ? なんで今頃誕生日? ……ああ、そうでした。 そこで設定したのは、主従が始まった日。主従の誕生日。 夜桜の中、人混みを避けるように暗い道を選んだご主人様が 私の手を取ったあの日から、丸4年。 しかし、5年目の主従は忙しく、いつ会えるのか未定です(笑) ***** 4年目終了少し前。 ご主人様から頂いた言葉は、 数回の「ごめんな」 と 「一度だけしか言わないぞ…………愛している」。 「ごめんな」の言葉には、 「なにが?」 「……全てに対して」 「よく解らないよ」 って少し笑って会話できたけれど、 「一度だけしか言わないぞ」と前置きされ 何を言われるのか、どんな辛辣な言葉が投げかけられるのかと 身構えていた私の頭の上からそっと降りてきた言葉は 「愛している」 絶対に、一生ご主人様から聞くことはないと思っていた言葉で なおかつ私が思っていたのとは逆方向の言葉。 泣かされました。 もちろん、その前にいろいろな会話があったから余計に。 やっと言えた言葉は「バカぁ……」。 奴隷の返事じゃありません(苦笑) 「そういうこと、言っちゃだめでしょ」 「そうかもしれないな」 「……これから、どうしていいか、解らなくなる……」 何かを、全てを、割り切ってやっていこうと決めた時に なんでそういう言葉をいうのかなぁ、ご主人様は。 ずるい。 ずるすぎる。 もちろん、そのずるさに対しても「ごめんな」であることは わかってるのだけれど。 ただ泣いてる私にキスをして、抱きしめて 「ほらもっとしっかり抱きつけ」というご主人様。 でもね、鞄も荷物も持ってるから、両手でしっかり抱きつくことは出来ないの。 ってとまどいながら、でもなんとか片手はご主人様の腰をぎゅっと抱きしめました。 ということで、 離れられないような言葉の鍵をかけられ、主従は5年目も続くのでした。
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