『スウィート・バイエル』
モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
| 2006年11月04日(土) |
奴隷スイッチ/被虐スイッチ(1) |
「今何時だ?」 「14時半ですけれど?」 「ああ……もう一回やろうと思ったんだけどな」 「……ええっ! ご主人様、そんなそぶり見せなかったじゃなかったですか!」 「タイミングを逃してた」 「だって14時過ぎたし、もうなにもないだろうと思って私も支度してたし」 「うん。でもケーキがなかなか出てこなかったし」 そういえば、洗面所に居るときに 「麻瑚〜、ケーキ食べよう」って呼ばれたなぁ。 それって「食べるなら、早く食べてしまおうってことだったのかぁ。 「ご主人様何も言ってくださらないんだもん」 「……最後に縛ろうかな、と思ってたのだが」 「えっ! うそ〜」 「なんだ、縛って欲しかったのか?」 「縛りはいつでもウエルカム!ですよ〜」 「縛って、デッキに軽く吊るか、室内であそこに磔にしようかと〜」 「ご、ご主人様! どうして今、手の内を……プランを喋っちゃうんですか!」 「いいんだよ。次回はどうなるかわからんだろ? アナル調教になるかもしれないし(笑)」 「う〜」 「いいよ、今日はもう。 どっちにしろ今日はゆっくりしようと思っていたから」 「でも……しましょう!」 「いいよ(笑)」 「しましょう。縛ってください」 「いいよ」 「帰り支度もほとんど済んでるので、あとは着替えるだけだから 5分もあれば終わるし。そうすると20分以上時間ありますから」
「じゃあ、縄と鞭。それと目隠し」 え? 「む、鞭ですか。時間無いのに(苦笑)」 「うん」 「縄は何本? 長い方? 短い方? どちらですか?」 ご主人様が選んだのは短いスピンドル1本。 目隠しをされる。 そこでご主人様からの命令。 「そうだな。今日は麻瑚が期待しているのとは違うのをしてやろう。 手を出せ」 両手首に縄がかけられ、私はそのまま、 まるで罪人のように引っ張られていく。 おぼつかない足で、デッキ(外)へ。 両手をあげた状態で梁に吊られました。 極力手を伸ばしたけれど、 私を気遣ってか、ご主人様は少しゆとりを持たせてる様子。 うーん、ぎりぎりの状態にしてくれないと……(苦笑) 姿勢を少し悪くし、自分で手首に体重かけてみる。 既に腕時計をした状態だったので、左手にはかなりの負担。 でもまぁ短時間だから、そんなに紫色にならないだろう(笑)と考えたり。 一気に気持ちを引き揚げなきゃいけないから、 なるべく苦痛は強めにしないと、ね。 鞭で頬を撫でられる。 私がピクッとすると、ご主人様が少し笑う。 すーっとなで下ろされ、お尻に鞭。 スリップ状の下着を着ていたので、ご主人様は叩きにくかったかもしれない。 脱ぐか、めくり上げておけば良かったなと思う。 私だって、布越しより、やっぱり直に叩かれたいし。 何発か叩かれたあと、鞭が止む。 「麻瑚は誰のものだ?」 「ご主人様のものです」 「正解」 軽く笑うと「ご褒美だ」といわんばかりに、また鞭。 痛くても、外だからあまり声を上げられない。 鞭音だけで怪しいのに、そこに「痛い!」なんて叫び声を上げたらまずいものね。 がまん。 「痛いか?」 無言でいると、また「痛いか?」と尋ねられる。 声を出すタイミングを間違えると悲鳴になっちゃいそうだし、 悲痛感あらわに「痛いです」と言うと、ご主人様やめちゃいそうだし。 どう答えていいか分からなくて黙っていると、 叩かれてまた尋ねられる。
「痛い……です……でも」 「でも?」 「もっと叩いて欲しいです」 言い終わるか終わらないかで、また鞭。 何回か叩かれたあと。 「どうしてほしい?」と問われ。
「もっと強く……叩いてください」 「何回?」 もっと時間があるなら、十回と言うだろう。 でも残り時間を考えると、これくらいが妥当かな?と 鞭と吊りに酔い始めた頭ではじき出した数字を答える。 「……5回」 「よし。ちゃんと自分で数えろよ」 小さな声で「いち……に……さん……し……ご」と数える。 右側のお尻から太もも裏側にかけて、5発終了。
少し間が空き、またご主人様が「ん? どうしてほしいんだ?」と。 「反対側も、強く叩いてください」 「何回?」 「同じだけ……」 「何回かちゃんと言え」 「5回です」 右側より強く打ち込まれる5発。 終わるとご主人様が……あれ? 放置? と思ったら、シャッター音。 ご主人様は携帯をとりに部屋に戻られていた様子。 目隠しを外され、再びシャッター音。 液晶画面に映る画像を見せられる。 「背中……太った……」 ほにゃほにゃした声で伝えた、私の感想。 それに「しょーもないことを(笑)」という感じで軽く笑うご主人様。 ご褒美のキスのあと、 梁にかけた縄が降ろされ、手首の縄が外される。 私は縄とテーブルに置き去りになっていた鞭を持ち、 無言のご主人様のあとをついて、部屋に戻りました。
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