『スウィート・バイエル』
『スウィート・バイエル』

モクジ 今ヨリ、カコへ 今ヨリ、ミライヘ


2006年04月25日(火) 鞭 -15- ひとつに

やっとその体勢から解放され、ほっとしたのもつかの間。
喘ぎすぎてゼイゼイとした呼吸のなか、私が
「いき……できない……くるしい……」って言っているのに、
過呼吸でぼーっとしているのに。
 
私と肌をぴったりと合わせるように
ご主人様は覆い被さり、そのまま責め続けている。
   
このままだと、今度こそ過呼吸で失神しちゃうかも……
 
 
とその時、また今までと違う感覚が訪れました。
 
肌が溶け合ってどちらの身体がわからなくなる、というあの感覚とも違う。
だけれども、ご主人様の身体と一体になりたという、激しい渇望。
でも、一部が繋がっているとはいえ、別々の肉体。
それはままならない。
それがとってももどかしい。
どうしていいかわからない。
 
このまま、私の身体がご主人様の身体に入り込み、取り込まれて
ひとつになってしまえばいいのに。
そう、何度も何度も思いました。
どうしていいかわからなくて、腰に絡めた脚に力をいれ、両腕を背中に回し
ご主人様を全身で抱きしめながら、背中や後頭部をまさぐり続ける私。
 
時々、感情が高まって
「ごしゅじん……さま……」
って呼びかけてしまう。
ご主人様は「ん?」と答えてくれるけれど、私には伝える言葉がない。
 
何て伝えたらいいか分からない。
いや、伝えたいことなんてないのかも。ただご主人様の名を呼びたいだけなのかも。
 
 
 
sexは時化から凪へと自然に移行。
静寂の中、ご主人様が上半身を起こしました。
 
少し高い位置から私を見下ろすご主人様。
じっとその目を見つめているうちに、
寂しさと欲求が静かに静かに湧き上がり、それが私の重い口を押し開かせました。
 
「ご主人様……」
「ん?」
「ぎゅ……っ……って……したい」
 
私の最後のわがままにご主人様は苦笑すると、
もう一度身体を倒し覆い被さってくれました。
私は、今日最後のご主人様の重みをうけとめながら、ぎゅっ。
 
「でもね、ご主人様、
 私、アナルだけは死守したんですよ」

と、この時すごく言いたかったけど、
さすがに言えなかったわ、さすがにねぇ……(笑)
そのかわり、「ごめんなさい」って再び告げた……と思います。うろ覚えだけど。
 






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谷藤 麻瑚 MAILスウィート・ハノンHP(改装・再開予定)

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