++ワタシノココロ++
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夜。
すでに静かな寝息を立てているやすくんの隣で しばらく本を読んでいた。
そろそろ眠ろうかな、と思ったときふと 無造作に投げ出されたやすくんの右手に 自分の右手を重ねてみようと思った。
静かに、やすくんのぬくもりを感じようとそっと手のひらを重ねた。
手のひらも、指も 感触が起きてるときと寝てるときは、こうも違うんだ。
そんなことを思いながら、眠っているやすくんの手を見た。
そのとき。
やすくんの指がわずかに開き いつも手をつないでるときと同じように 私の右手を包み込んだ。
起きてたのかも?と、びっくりして手を引っ込めて やすくんの顔を見たけど やすくんは相変わらず、穏やかな顔で静かな寝息を立てていた。
もう一度、右手を重ねてみる。
さっきと同じように、やすくんの右手がかすかに動き いつも手をつないでるときと同じように 私の指をつつみこんだ。
なあんだ。
やすくん、私のことをやっぱり大切に思ってくれてるんだな。
はっきりと言葉で「好きだよ」なんて 面と向かってなんて言ったことの無いやすくん。 もちろん、態度で伝えてくることもほとんど無い。
でもさ。
眠っていても、私の手をこうやって包み込んでくれる
それこそが
やすくんの私を思ってくれる気持ちをあらわす 大切なしるしなんだな、ってわかった。
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