++ワタシノココロ++
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2002年10月30日(水) |
小さな子どもじゃあるまいし。 |
帰る日。
ちょっと早起きするつもりだったのに
今日も少し寝坊した。
居間へ行くと
妹はすでに出勤してて
父さんも朝食を取り終えて、部屋を出ていこうとする瞬間だった。
慌ただしく送り出してしまった。
もっときちんと見送りたかったのにな
今日の私は、ついたとき以上にハイテンションで
ちょっとしたことでものすごく笑えて
何だか、不思議だった。
この家を出ていくとき置いていった鉢植えの世話を
今回はどうしてもしていきたかったから
一人ベランダへ出る。
「あんたが向こうへ行ってからしばらくは
みんな気にして見ていたんだけど、
夏の頃は忙しかったこともあって、なかなか世話してやれなくてさ」
母さんが言うとおり、いくつかの鉢は
干からびて可哀想な姿になっていたけど
夏の間休眠するスノードロップの鉢からは
小さな芽が出ていたし
シクラメンは新しい葉をつけていた。
シャコバサボテンも小さな花のつぼみを付けていた。
瀕死のオリヅルランには
水をたっぷりあげたら
しばらくすると生気を戻したようだった。
枯れてしまった葉などを整理して
生き残った小さな命を部屋の中に入れる。
「そろそろ出ないとまずいんじゃない?」
母にそう促されて、帰る準備を始める。
まだしたいことは山ほどあるのに
話したりないことばかりなのに
そんなことを考えるけどなぜか顔は
さっきと同じ笑顔で、
妙なハイテンションもそのままで
テキパキ荷物を積み込んでしまう。
「どこで昼御飯食べることにする?高速乗ってから?」
笑いながらそう言う私に、やすくんは
「こっちで食べていこうよ。おかあさんもいっしょにさ」
なんていう。
高速まで家から1時間半。
その途中にあるパスタ屋さんに入り、3人で昼食をとる。
昨日と変わらない、幸せなひととき。
店を出て、お互いの車に別れて乗る。
「気をつけて」
そう言って母さんが駐車場から見送ってくれた。
最後までハイテンションな私は
「じゃね。よいお年を」
なんてちょっとおどけて、手を振って別れた。
カーブで母さんの車が見えなくなったとき
ものすごい淋しさが胸にこみ上げてきて
涙がドッと溢れてきた。
運転中のやすくんに気づかれないようにと
窓の外を眺めたり、そっと指で涙を拭ったりしても押さえられないくらい
涙がどんどん溢れてきてしまった。
嗚咽を抑えられなくなってしまって、涙は止まらなくて
どうしていいのか分からなくなってしまった。
やすくんは
「無理して元気に別れなくてもいいのに」って
私の頭をポンポンたたく。
母さんや父さんの前で
寂しそうな顔をするわけにいかないじゃない
寂しく毎日を過ごしてると思ったら
きっと心配しちゃうからさ
それに、
私、やすくんといられて幸せなんだから
とは言ってみたものの
これまで張りつめていた気持ちが一気に流れ出したみたいで
涙が全然止まってくれなかった。
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