++ワタシノココロ++
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職場のボスに3月で退職する意志があることを伝える。 どちらにしても今年で転勤が決まっていたし、 やすくんの引越準備に行く前、 結果として彼の両親に会うことになる前に ボスには相談していたから、 あまり大きな驚きはなかった。
「辞めるのか… そうなるといろいろな手続きがあるから」
そうやって言われたときに、 初めて、少し淋しい気分になる。
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やすくんのところへ行くことを真剣に考え始めたとき、 わずかではあるが信頼の置ける人たちに 何度か相談した。 友達、上司、尊敬する人、違う職場の人。 中には、かなり熱心に 「まだ時間があるから、仕事続けながら2〜3年考えたら?」 って、言ってくれる人もいた。 「向こうへ行ってしばらくしたら、絶対後悔するよ。 仕事辞めるんじゃなかったって。」
でも、 不思議なくらい穏やかに、 私はやすくんの所に行くことを決めた。 心の中で1度も波が立つことがなかった。
これ以上やすくんと離れて過ごす時間がのびるのは嫌だったし、 何より転勤が決まっていたから、 移動してすぐ、辞めることを考えたくないってのがあった。 相談した、なんて書いたけど、 きっと気持ちは決まっていたんだ。
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事務的な流れを一通り説明してもらって、 自分の机に戻る。 「辞める」って決めてはいるが、 まだ、ボス以外このことを知る人はいない。 やすくんのことすら、知っているのはごくわずか。 来年早々、驚かすことになるだろうな。 そんな風に考えながら周りを見ると、 何だか急に全然知らない人たちのように思えてきた。
やすくんと家族になる。 そのことで、たくさんの出会いを経験するだろう。 でも、これからの1年間は、 圧倒的に別れの方が多いんだと思うと 少し淋しい。
やすくんと一緒にいられることが当たり前になった時、 私は今の選択を後悔するのだろうか。
いいや、ない。 私が決断したんだから。 自分で決めたんだから。
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