よるの読書日記
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『旅涯ての地』<坂東眞砂子/角川書店> 第一章を読み終えるまで、これがマルコ・ポーロの家の話だと 気づきませんでした。疎すぎ。 正確に言うと、中国より帰ってからのポーロ家が最初の舞台。 主人公は中国と日本の混血でポーロ家の奴隷。 東洋から西洋に渡った男の、長い長い旅の物語です。 異端問題とかキリストの聖遺物がどうしたとか、 中世ってやっぱり暗いなー。 ドライでニヒルな主人公の醒めた視点が信仰に振り回されてる 人々をより浮き彫りにしている印象がありました。 坂東さんの人間描写ってやっぱりすごいや。
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