よるの読書日記
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2003年10月10日(金) 西方見聞録

『旅涯ての地』<坂東眞砂子/角川書店>
第一章を読み終えるまで、これがマルコ・ポーロの家の話だと
気づきませんでした。疎すぎ。
正確に言うと、中国より帰ってからのポーロ家が最初の舞台。
主人公は中国と日本の混血でポーロ家の奴隷。
東洋から西洋に渡った男の、長い長い旅の物語です。
異端問題とかキリストの聖遺物がどうしたとか、
中世ってやっぱり暗いなー。
ドライでニヒルな主人公の醒めた視点が信仰に振り回されてる
人々をより浮き彫りにしている印象がありました。
坂東さんの人間描写ってやっぱりすごいや。


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