2002年11月07日(木) |
秋なので、というわけでもないが |
久々に気を入れて読書中。
余りにも有名な『武士道と云ふは、死ぬことと見附たり』という言葉に興味を持って、三島由紀夫の『葉隠入門』を読んだことがある。 ふと、それを読み返したくなったので、探してみたが、書棚に見当たらない。 もう一冊買うのは業腹なので、講談社学術文庫の、現代語解説付の『葉隠』を買った。
『葉隠』の、冒頭の一句はエキセントリックな感じがするが、読み進んでみると、禁書となるほど過激な内容とは思えなかった。
他所の家に招かれて饗応を受けたときには、帰るタイミングが難しい。あんまり早く帰るのは興ざめだろうし、遅くまで居座っては迷惑だろう。スマートに行動したいものだ。
とか、
人前で欠伸をするのは無作法だ。止めるには、額を撫でるか、唇を舐めると良い。
とか、マナー読本かこれは、と思えるような文があったりする。
他には、処世術や、衆道における男の口説き方、嫌な男にしつこく口説かれた場合の振り方なんかもあって面白い。
もちろん、切腹する者に介錯を頼まれたときの心構えとか、戦場で敵の首を斬った後皮を上手に剥ぐには、とか、血腥い内容もあった。
多分、この本は、最後の頁までめくった後も、読了したような気にならずに、書棚にずっとあるだろう。 そういう愛読書が、ぎっちり詰まった書棚の整理に困っているが、これもまた幸せだ。
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