おた画伯が、漫画を描いた。
この本の著者リストの中では「本文イラスト」となっているが、4コマ漫画である。 正直に言ってしまうと、文章の方はさほど面白くない。 書店でよく見かける、仕事で成功する方法や、人間関係を楽にする方法や、ポジティヴに生きる方法をアドバイスする本で、活字が大きくて、隙間が大きい。 悩んでいることに「それは小さなことだ」と言ってもらいたいときや、だれかに背中を押して貰いたいときにしか、読みたくならない本だと思う。 今、わたしは、そういう言葉を必要としないので、未だ斜め読みしかしていない。
が、しかし。
画伯の漫画は面白くて何度も読み返している。
登場人物たちの容姿や行動が奇天烈なので、シュールな不条理漫画か、と最初は思うのだが、そうではない。 数えてみたところ、漫画は51本。 カメレオンの着ぐるみを着て歩く男や、ヒーローのようなマスクで、マントを着て飛ぶことの出来る男や、みかん箱をかぶって歩く男をはじめ、多くの奇妙な人々が登場する。 彼らは、普通にオフィスで同僚、友人たちと語らっている。 奇天烈でありながら、奇天烈なまま、彼らは受け入れられている。
……あー、いるなぁ、こういう奴ら。
そう気づいて、またはじめから読み返すと一粒で二度美味しい。
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