ランディはワールドカップが日本で開催されることをめちゃくちゃ喜んでいる。
はじめてのアジア開催。
恐らく、向こう二十年はないだろう、という。

それがなんで凄いのか、わたしには理解できない。

サッカーといえば、大昔、某サッカー漫画にはまったことがある程度。
そして現在、その某サッカー漫画は、かなりの部分、ルールを無視していることを知っている程度。

なんで、ランディが、日本でさほど放送されることのない、海外のサッカーリーグの選手について詳しいのか、なんで「日本は勝てねーだろうなぁ」と言いつつ、中継を見て、勝ったら「うぉおおおおおお！」なのか、よく判らないが、とにかく、ランディも、世間も、やかましいから早く終わってほしかった。
なんせ、日本戦をやってるときに、窓を開けておくと、お隣のご主人の絶叫が聞こえるのだ。
最初、夫婦喧嘩でもしてるのかとはらはらしてしまったが、日本のチャンスと同じタイミングで叫んでるので、ああ、サッカー好きなのね、と納得して窓を閉めた。

ああ、数十年に一度の祭、しかも、下手したら、この先一生ないかもしれないＷ杯だが、やっぱりわたしは乗れない……

と、思っていたのだが……
日本が勝っているうちは、Ｗ杯について、なんとも思っていなかったのに、此処に来て、感動している。

海外メディアが、ホスト国日本を絶賛しているらしい。
リップサービスもあってのことだろうが、対戦国の選手たちが、ホスト国日本に対する感謝を口にする。
選手のみならず、サポーターも。

どうやら、忘れっぽくて、シャイで、ミーハーで、八方美人なところがＷ杯開催国に向いていたようだ。

国旗に、「GOOD-BY PERFECT HOST JAPAN」と書いて掲げるイングランドサポーター。
「日本大好き」と日本語で書いた紙を掲げてたトルコサポーター。


どうやら、日本人が思ってるよりも、日本はよい国であるらしい。