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書くほどのこともない日常
日記とか、更新とか。

2001年08月05日(日) 不思議空間中華街

ときにさぼりながらも、1999年の1月からWEB日記をつけはじめて二年半。
その間に、少しずつだが、スタンスが決まってきた。
……などと言うと御大層だが、鬱陶しい日記をお客さまに読ませた挙げ句に、自ら
に課そうと決めたことは、

愚痴とのろけは書かないことにしよう。


まあ、自覚する限りに於いて、のろけは一度も書いたことがないが、愚痴は何度も書いた。
で、それを読んだお客さまが心配して下さったことも多かったので、上のようなことを決めたのである。
だから、今日の日記は愚痴ではない。
書かずにいられない怒りである。……などという言い訳からはじめてしまおう。

ランディが無断外泊しやがった。
当然、無断であるから、ランディ自身から連絡は無く、こちらから携帯に電話をしても通じない。
どっかで事故に遭ったり、ぶっ倒れたりしてないかと思うと、ろくに寝られなかった。
そりゃまあ、わたしが寝ていようと起きて待っていようと、事故に遭うときは事故に遭うし、路上で寝るときは寝るし、階段から落ちるときは落ちるのであろう(総て前科あり)。
が、しかし、警察や病院から電話がかかったときに、寝呆けたまま受話器を取って

「はい。株式会社●●です」
とか以前の勤め先を名乗ってしまうのはまずかろう。
実際、わたしは、母によると、寝ながら「聖母たちのララバイ」をフルコーラス歌ったことがあるらしいから、そのくらいのボケで済むかどうか判らない。
それでも三時半には耐えられなくなって横になった。
暑さの余り七時半に目醒め、ランディの携帯に電話すると、脳天気な声で、

「酔っぱらって、先輩のところに泊めてもらっちゃったー」

こめかみあたりの血管に、だくだくと大量の血が流れるのが判った。
ほどなく帰ってきて、即熟睡。
いつもは飲ん帰ってもだらだらとDVDだのテレビだのゲームだのに囓りつき、寝ろと言っても寝ないくせに、ボキャブラリーの限りを尽くして罵倒してやりたいときに限って寝つきが早い。

要領のいい奴め。

起きたついでと思ってTAをメーカーに送るために、にコンビニに出かける。
帰る途中で、実家の両親が愛飲しているプーアール茶が切れかけていると言っていたのを思い出し、曇りの朝だけあって、少しは涼しいことだし、出かけたついでに、電車に乗って中華街へ。

お茶屋で、実家に送るプーアール茶、切らしていた毛蟹茶、身体に良いという八宝茶を買い、その辺に売ってる肉まんを近くの公園で食べると、血糖値が上がったのか、少し精神が安定する。
関帝廟前の雑貨屋さんに、珍しく店主で元女優の山口美江さんがいたので、「やっぱ綺麗だなー」などと思いつつ、暫し見とれる。

そして、お定まりの茶藝館に。
オーナーが亡くなったとかで、休業していた、お気に入りのお店が開いていたので入って岩茶を飲んだ。
中華街には、わたしの好きなものがたくさんある。
堂々と「ナ●キコピー」とか書いた靴が売ってたりする怪しさもなかなか良い。
ふらふら徘徊したために、古書店なんかも見つけ、文庫本を二冊ばかり買った。
そして、帰りがけに、休日で観光客でごった返しているにも関わらず、えらく暇そうだった占い師に声をかけられ、手相を観てもらう。
「まー、いい手相してらっしゃる。今、幸せな結婚をしていて、今までに大きな病気もしてないでしょう?」
曰く、健康で、八十までも生きられるほどの長寿、財運もあり、幸せな結婚をしている。才もあり、家族にも恵まれ、言うことの無い素晴らしい相。
普通に考えれば、天気予報ほどにも宛になるとは思えない、赤の他人の初対面の占い師の言葉である。
冷静に考えれば、これまで生きてきて、不自由や不足がなかったわけではない(顔とか、頭の中身とか、その他諸々)。
ちなみに、体重に関しては、もう少しでいいから不足気味になってほしいところである。
が、しかし、彼女の言葉がなければ、今日の日記は、どう書いても愚痴になるので、休むところだった。

……そうか。
わたしって幸せだったんだ。
それで、これからも幸せなんだ。

そういう暗示を与えられ、ひとまず心の平安を取り戻し、夕方家に帰ったら、ランディはまだ寝ていた。
……沸々と、怒りが甦ってきた。


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